第1話 転生! 猫耳幼女
これからは葉月視点の物語です。
ーー葉月視点ーー
あれ? ここは?
『おめでとう吸血鬼くん。君の願いは、ようやく叶う』
え? どういうこと?
『君のお姉さんに会える場所に君は神様として転生してもらう』
神様?
『そういうこと。じゃあ頑張ってねー』
ちょっ! 適当過ぎない!
私はそこで気を失った。
あれ? 私は? この娘だれ?
「ティア、あなたの妹だよ」
もしかして、私生まれ変わったの? じゃあこの娘は私の新しいお姉ちゃんかな?
「可愛い! 名前はどうしたの?」
「お店の名前と誕生日から葉月だよ」
葉月……これが私の名前……
「葉月! いいね! 可愛いよ葉月! はやくお姉ちゃんと同じくらいになってね!」
ふにふに……
「あ~う~」
まだ喋れないんだ……
「可愛い!」
ふにふにふにふに……うりうりうりうりうりうり
「ティア、その辺にしときなさい」
「……はーい」
新しいお姉ちゃんは白髪で黄色と紫のオッドアイなんだ……オッドアイって初めて見た。
それから1年後……
この1年間で私はすくすく成長し、いろいろなことがわかった。
まず私の姿は白髪に黄色と赤のオッドアイだった。ティア姉とほとんど同じ見た目だけど、私の耳は猫耳だった。それに尻尾もあった。私遂に吸血鬼から猫耳少女になっちゃったよ……でも身体能力は以前のままだったから凄い力持ちだよ! でもティア姉の方が凄かった。あれは人間ですか? って思った。
次にこの家の家族構成は私とお母さん、ティア姉、アテナ姉、それと詩織さんの5人らしい。お父さんは1度も見てない。死んじゃったのかな?
そしてこの家は喫茶店を経営していて、アテナ姉は学校だが、ティア姉はここで働いている。この喫茶店には他に先生って呼ばれてる人と音色さんがいる。音色さんはティア姉のことをお母さんって呼んでるけど、この二人の関係はよくわからない。
私は今日も喫茶店に向けてハイハイをしている。お母さんたちは基本サボっているから、ティア姉にだけ気をつけていれば問題ないが、何故か毎回捕まる。あっ! ヤバッ!
「あれ? コーヒー豆どこだっけ? あっちだっけ?」
ティア姉が倉庫の方に行った! 今がチャンス! これは初めてのミッション達成だよ!
「こら! 葉月ダメでしょ! こっちに来なさい!」
え? ティア姉さっき倉庫に行ったでしょ! なんでこっちにいるの!
「私が1人だけだと思った?」
「残念、私は分裂できるんでしたー」
はあぁぁぁ!? どういうこと? あっ、1人になった。
「葉月ダメだよ。喫茶店はいろんな人が出入りするんだから耳とか尻尾とか見せたらダメなんだから!」
……確かにこんなの見つかったらヤバいね。
「ごめんにゃさい……」
「葉月可愛いよ! じゃあ部屋に行こうか!」
戻される! こうなったら!
「ティアねーおねがーい」
「うっ……だ、ダメだよ……葉月はまだ……」
「だめ?」
「ううっ……しょうがないな……今回だけだよ」
「わーい!」
ティア姉が重度のシスコンのおかげでこうすると意外と言うことを聞いてくれる。でもアテナ姉は「ティア、甘やかし過ぎるのは良くないよ」って言ってた。そして何故かこの家族は私のことを家の中では基本的に自由にしている。そんなに信頼されているのかな? それとも放置? それはないか、ティア姉見てればすぐにわかるね。
ティア「琴葉は私の妹になった!」
武瑠「コイツやったな!」
葉月「でも私はこれでもいいよ?」
ティナ「まさか番外編2つとも出られないなんて……」
武「諦めろ。お前は俺と同じようにモブなんだ」
ティア「あっ、お疲れさまです」
ティナ&武「チッ!」




