第12話 勉強会で発掘
今私たちは勉強会をしている。
「はい! 出席番号13番は!」
「佐藤春子さんです!」
「じゃあ次! 38番は!」
「吉田夏子さんです!」
「じゃあ21番は!」
「中嶋秋子さんです! ってちがーーう!」
「何言ってるの? 完璧じゃない?」
「いやそうじゃないでしょ! なんでテスト勉強してないの!」
「じゃあyの4乗+12yの3乗+9yの2乗を微分するといくつだ!」
微分!?
「それは中学生の範囲じゃなくて高校生の範囲でしょ! 4yの3乗+36yの2乗+18yだけど!」
「「「!?」」」
「じょ、冗談のつもりだったんだけど……琴葉って意外と頭いいんだね……」
「普通に私は予習してるからね!」
「いや、予習してても普通ならこれはできないよ。っていうか予習するなら保健でも予習してろ!」
なんで保健?
「ん?」
「どうしたの? 琴葉?」
「そこの隙間に何か本が挟まってない?」
あと少し……あと少しで……
「「「(エロい……っていうか白か……)」」」
「届いた! ん? 何この本……」
「(はっ! それは!)こ、琴葉……それをこっちに渡して……」
「「!? 琴葉ちゃん! こっちに頂戴!」」
私から楓ちゃんとりおちゃんが本を奪った。
「あ"あ"あ"ーーっ!!!」
奈々いきなりどうしたんだろう?
「ほうほう、奈々はこういうのが好きなのか」
「私はこういうのもあり……だと……思うよ?」
「ならその途切れは何?」
なに見てるんだろう?
「「「琴葉はこっちに来ちゃ駄目!!」」」
ビクッ!
え? な、なんで? もしかして……
「みんな……私のこと……嫌い……なの?」
「「「え?」」」
「だって……私だけ……仲間外れ……にするんでしょ……」
「ち、違うよ! 琴葉ちゃんにはまだ刺激が強すぎると思ったからだよ!(泣かないでよ琴葉ちゃん!)」
「そうだよ! 琴葉ちゃんはこういうのは絶対駄目だよ! こういうのは腐った人だけが見るべきだと思うんだよ!(泣いてる琴葉ちゃんも可愛い……)」
腐った人? 人って腐るの?
「じゃあ奈々は腐ってるの?」
「「そうそう!」」
「アンタたち……」
「(だって仕方ないでしょ!)」
「(そりゃそうだけど……もういいよ!)」
「夕飯できたから降りてらっしゃい」
もう夕飯の時間なんだ……早いね。
ーー琴音視点ーー
琴葉に1日会ってないだけなのに凄い寂しいんだけど……どうして? 今まではなんともなかったのに!
「ほら琴音、寂しそうにしてないで早く食べなさい」
「べ、別に寂しくないよ! なんで私が琴葉のことなんて!」
「そういうのをツンデレって言うのよ。それに誰も琴葉のことなんて言ってないよ」
「はっ! いや! これは! 違っ!」
「大丈夫よ。琴葉には言わないから」
ああ! もう! 琴葉が熱出してから琴葉のことが気になって仕方がないよ! 琴葉にあんな可愛い顔されたら誰だって気になるよ! でも今まで嫌な態度とってたから気まずいよ! 琴葉、もっと私に話掛けてよ!




