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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
番外編 音無家双子姉妹の物語
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第10話 体調不良


 私は奈々に抱っこされながら家に着いた。


「まだ熱あるね。このまま部屋まで送るよ」

「えっ……ちょっと!」


 こんな姿家族に見られたくないんだけど!


「ダメよ。琴葉今、熱が凄いんだから。鍵あった」

「うっ~~」

「可愛い……」


 私は奈々に抱っこされたまま、家に入った。


「……何やってんの?」

「おねえ……ちゃん……」

「あっ! ノエルさん! この前原稿落としましたよ!」


 今言うことなの?


「!? それは! ……他に言ってないよね?」

「もちろんです!」

「ふぅ……よかった……にしても今の琴葉はずいぶん可愛いねー」


 いつもよりかなり優しいけど、絶対バカにされてる……まあ、嬉しいけどね!


「ううっ~~」

「可愛い……はっ! 琴葉の部屋ってどこですか?」

「2階に上がって左よ」

「ありがとうございます!」


~~琴葉の部屋~~


「じゃあ私は帰るけど、お母さんとかは?」

「今日は仕事……」

「そうなんだ……まあ、ノエルさんに任せるよ」


 お姉ちゃんが看病? いくらお姉ちゃんが優秀でも料理は……


「じゃあね。琴葉」


 行っちゃった……


「琴葉、朝日さんに免じて今日は看病してあげるから」


 料理だけは普通でありますように……でも……


「ありがとうお姉ちゃん……」

「ほら、お粥作ったから食べなさい」


 ……お粥って色付いてたっけ? なんでそんなに禍々しいの? どうやったらそんな色をしたお粥ができるの?


「……お姉ちゃんありがとう」

「気にしないでほら、食べなさい」


 よくその色のお粥を人に向けてくるね。まあ、お姉ちゃんが作った料理だから食べるけど!


「あーん」

「は?」

「あーん」

「……あ、あーん」

「そのままだと熱いよ」

「……フーフー、あーん」

「あーん」


 !?


「お姉ちゃん美味しい」

「!? あ、ありがとう……」


 何故作った本人が驚くの?


「ほら、どんどん食べなさい。フーフー、あーん」

「あーん」


 この日のお姉ちゃんは凄い優しかったです。毎日こんな感じだったらいいのにな……


 翌日……


「琴葉大丈夫?」


「な、奈々……お腹痛い……」


「なんで? ……ん?(何この紫色のお粥っぽいものの残りものは!? まさかこれ食べたの!? そりゃそうなるわ!)」


 めっちゃお腹痛いよ……


「とりあえず汗が凄いから脱ぎなさい」

「うん……」


 私は服を全部脱いだ。


「(体は幼女なのになんでここまでエロいの……)じゃあ体拭くね」

「ありがとう……んっ……あっ……」


「(エロい……まだ背中拭いてるだけなのに……)じゃね次は前だね。拭いてあげるね」

「うんお願い」

「(そこは断ってよ!)じゃあ拭くね」

「ーーっ!? ……んあっ……んんんっ!」


「(今……なんでもないな。めっちゃ濡れてる……)」


 なに……今の……凄い気持ちよかった……


『やめておけよ。次やったら二度と戻ってこれなくなるぞ』

ビクッ!?


「な、なに!?」

「ご、ごめんなんでもない……」


 なんでいるの……


『俺はいつでもお前の影にいるぞ』


 キモッ……戻ってこれなくなるってどういうこと?


『お前の体は変わってるからな。さっきの感覚を何度も覚えるとそのうちその感覚がないと学校生活すらできなくなるぞ。最悪1日中部屋で生活するぞ』


 っていうか何でそんなに詳しいの?


『何百年も前に同じようなやつが居たからな』


 ってことは何百年も前に吸血鬼はいたんだ……


『何かあったら呼んでくれよ。いつでも待機してるからよ』


 あっ、うん……


「はい、洗い終わったよ」

「ありがとう奈々」

「(よく私堪えられたね。さすが私だ!)じゃあ今日は学校休んでなよ」

「うん、わかったよ」

「じゃあいってきます」


 奈々は部屋から出ていった。

 うっ! お腹痛い! トイレ!


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