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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
番外編 音無家双子姉妹の物語
174/194

第8話 ボッチの恋愛事情


 数日後……


~~教室~~


 それは教室での出来事だった。


「ねぇ、琴葉って友達いないの?」

「えっ……」


 何故いきなり突いてくるの?


「だって琴葉いつも私といるじゃん。それに私が他の人と話してる時はいつも1人じゃん。ねえ琴葉って今まで友達何人いたの?」

「……」

「……もしかして私が人生初めての友達?」


 めっちゃ突いてくるね。そうですよ! 私は産まれてこの方友達なんて奈々しかいないよ!


「ご、ごめん半分冗談のつもりだったんだけど……」


 半分!? そこは全て冗談にしてよ!


「まあ、友達なんて1人いれば十分だもんね!」

「私、泣いていいかな?」

「いいと思うよ」

「うっ……ううっ……」

「ホントに泣かないで! 私が悪かったから! ほら、みんなから(おもに私が)凄い目で見られてるから! 泣かないでよ!」


 それから数分間泣き続けた。そして授業も終わり今日は部活に行かないで帰ろうとロッカーを開けた時


「なにこれ? 手紙?」

「ほうほう、今時ラブレターとは珍しいですな」


 …………?


「らぶれたーって何?」

「え? 何言ってるの? ラブレターはラブレターだよ? まさか知らないの? 恋文だよ! なんで知らな……ボッチかぁ……ボッチが原因かぁ……ボッチって12年続けるとラブレターも知らないのか……」


 なんか失礼なやつだな! また泣いちゃうよ!


「えっと、このあと体育館裏でお待ちしております……ずいぶんシンプルだね。まあなんだ、ラブレターすら知らないやつに恋はまだ早いから行かないでいいよ。じゃあ帰ろうか」


 なんかもらった手紙を無視するのって罪悪感が残るんだけど……


「どうしたの? 琴葉?」

「私ちょっと行ってみる!」

「やめときなさいよ! どうせ行ったところで何を言ってるか理解出来ないんだから!」


 本当に失礼なやつだな!


「(待てよ……もし相手が告白したとしてその時琴葉はどういう反応するんだろう……)やっぱり行ってみようか」


「え? 何急に? えっ! ちょ! 引っ張らないで!」


ーー奈々視点ーー


~~体育館裏~~


 さて、琴葉と別れて私は今隠れています。どうなるかな? おっ! 男がきた。あれって確かうちのクラスの佐々木だっけ? 結構地味なやつだったはずなんだけど意外と肉食系(幼女趣味)なんだね。


「あの音無さん! 好きです! 付き合って下さい!」


 告白の言葉もすっごいシンプル! シンプルイズベストとは言うけど、少しくらい台詞変えようよ。前からずっと好きでした。みたいな感じに変えてみなよ。まあ、それは置いといて琴葉は?


「……付き合うって何?」


 やっぱりかぁ……っていうか12歳で恋を知らない女の子ってヤバくない? 将来大丈夫かな? まあ、見た目は幼稚園児だけどね!


「……は?」


 ほら、佐々木くんも微妙な反応してるよ。


「ん?」

「……」

「何?」

「……マジか」

「え?」

「いや、何でもない。忘れてくれ」


 諦めた! まあ、仕方ないね。あっ立ち去っていった。ん?


「あっどうも」

「どうも」


 この人は確か佐々木とよく一緒にいた小林だっけ? 気になって見に来たのかな?


「琴葉? 大丈夫?」

「え? 今のどういうこと?」


 本当に恋を知らないなんて琴葉も可哀想過ぎる……せっかくこんなに可愛いのに……まあ、告白するやつはロリコンだとは思うけど。


「さあね。じゃあ帰ろうか」

「? うん、そうだね」

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