表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
番外編 音無家双子姉妹の物語
172/194

第6話 増殖する犬


 あれから奈々は時々部室で私に血をくれた。

まあ、その時にお漏らし癖がついて毎回掃除してるけど……大丈夫かな? 奈々変な方向に目覚めてないかな?

 そして今日も掃除をして下校する。


「ねぇ最近あの犬増殖してない?」

「そうだね。今は32匹いるね」


 あの日以降例の犬は日を重ねる毎に2倍に増えている。


「もしかして最近ニュースでやってる人を殺した犬って……」

「ま、まさか……ね?」


 確かにニュースの時期とあの犬の発生した時期は被っている。おまけに最近そのニュースも日に日に大きくなってる。あっこれコイツら犯人確定ですわ。


「グルルル……」

「なんかこっち見てない?」

「見てるね」


 すると犬の群れが走ってくる。


「逃げるよ!」

「えっ! ちょっ!」


 私は奈々を引っ張って全力で逃げた。奈々は鯉のぼりのような感じになっていた。


「はぁはぁ……ここまで来れば……」

「ううっ! 気持ち悪い……」

「ごめん奈々……」

びちゃびちゃびちゃ


 ……あとで掃除しないとね。っていうかおまけにお漏らしまでしないでよ。野外でもするとか絶対目覚めてるじゃん。


「グルルル……」

「あっ」


 もう見つかっちゃった……仕方ない倒そう。


「奈々はここにいて! 絶対見ちゃ駄目だからね!」

「ちょ! 琴葉! 何するの!」

「はああああぁぁぁ!」

ドコンっ!


 犬を全力で殴る。


「キュウーン」


 なんで死に様だけ可愛いの……そんな顔で死なれたら罪悪感が半端ないって……


「グルルル……」


 まだいるの? もう辛いんだけど……


「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」「キュウーン」


 もう辛い! なんでみんな死に様だけこんなに可愛い声と可愛い顔をするの! 嫌がらせなの! まあ、あと一匹だからいいや

ドコンッ!

「キュウーン」

バタン!


 あれ? 全部倒したら死体が消えた? どういうこと? でもこれで私は何も殺してない! 血まみれだけど何も殺してない! よし!


「奈々! 大丈夫?」

「こ、琴葉……だ、大丈夫だよ……」

「だから見ちゃダメって言ったのに……」

「どのみち琴葉が血まみれだから何があったかすぐにわかるよ」


 そういえばそうだったね。


「じゃあ体操服に着替えて帰ろうか」

「そうだね」


 二人で野外で着替えて帰った。野外で着替えると……いや、何でもない!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ