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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
番外編 音無家双子姉妹の物語
171/194

第5話 吸血


 翌朝……


ーー琴葉視点ーー

 さて、今日も奈々と待ち合わせしてるしはやく行こう。


「いってきます」

「いってらっしゃい」


 私は玄関を開けるとすでに奈々がいた。


「ごめん奈々」

「大丈夫だよ琴葉、じゃあ行こうか」

「そうだね」


 その後いつも通りに授業を受けて放課後に部活に行った。今日も私と奈々だけだった。



 部活中……



「ねえ琴葉の家族って大丈夫?」


 え? なんでそんなこと聞くの?


「普通だと思うよ?」

「そう……昨日ね家の窓から琴葉の家が見えたんだけどさ」


 昨日? 何か変なことあったっけ?


「琴葉はなんでお母さんの首噛んでたの?」

「ブッ!? いや、それは! その! あれ! あれなんだよ!」

「あれって何よ……」

「あれがあれであれなんだよ!」

「琴葉、主語と述語を話しなさい」


 だめだ……誤魔化せなかった……


「そこに首があったから?」

「何その理由……じゃあ私のも噛んで見る?」

「え?」


 奈々は首を差し出してきた。駄目だ、牙が疼く……こんなの抑えられないよ……奈々、ごめん!


「!? んっ……んんっ、あっ……だめ……ーーっ!?」


 奈々はその場で座り込んだ。


「ご、ごめん! 奈々! だ、大丈夫?」


「気持ちよかった……じゃないよ! なにいまの!?」


 気持ちよかったんだ……


「奈々、実は私、吸血鬼なんだ……」

「え?」

「私は吸血鬼なの、一定期間で血を吸わないと体が抑さえられないの。昨日のあれはお母さんの血を吸っていたんだよ。ごめんね。奈々、ずっと黙ってて……」


 嫌われたかな……こんな化け物だったなんて知れたら……


「そうだったんだ……ありがとう琴葉話してくれて」

「嫌いにならないの? こんな化け物なのに……」

「化け物かも知れないけど、琴葉は琴葉なんだから別に嫌いになったりはしないよ」

「ありがとう奈々……」


 私は気づいたら泣いていた。きっと何処かで自分を受け入れてくれる人を求めてたんだ……


「もう大丈夫?」

「大丈夫だよ。奈々」

「じゃあ帰ろうか」

ピチャッ……

 奈々が立ち上がると水の音がした。


「……掃除用具と体操服持ってくるね奈々。そこで服を脱いで置いてよ」

「~~~~~~っ!?」


 数分後……


「奈々着替え持ってきたよ。ってなんで全部脱いでるの? そういう趣味持ち?」


 部室で全裸とはずいぶん変わった趣味をお持ちで……


「違うよ!」

「大丈夫だよ。奈々はどんなに変態でも奈々だから」

「さっきの私と同じ感じで慰めないで! まだ上は買ってないだけだから!」


 そのあと二人で掃除しようと言ったけど、奈々が1人でやると言ったから任せた。

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