第156話 増殖する幼女
今日からお決まりの2拍3日で、海に行く。
今回のメンバーは、私、武瑠、アテナ、英司、秋、日向、音色、歌音、奏、紅葉、ティナ、武くん、詩織さんの13人。残りはお留守番である。
「ティア荷物多くない? 2拍だよ?」
「ん? これ向こうで必要なものなんだよ」
「そうなんだ……」
あえて深入りはしてこないんだね。アテナ、大丈夫だよ。みんな一緒にアレになるだけだから。
「じゃあ行くぞ」
運転は紅葉と武くんで車に乗るのは紅葉側がアテナ、武瑠、英司、秋、日向、詩織さんで、
武くん側が私、音色、歌音、奏、ティナになった。こっち側は武くん以外全員髪色が銀、白になっている。武瑠は英司が連れていった結果あっちになった。
「じゃあね。またあとで」
「そうだな。あとでなティア」
「行こう、音色」
「そうだね」
私たちは車に乗り、私と音色は一番後ろに乗り、ティナが助手席に乗る。双子は真ん中だ。
「じゃあそろそろ主発するぞ」
じゃあ私もその準備しようかな? 私はリュックから喫茶店の制服を取り出した。
「お母さん? それどうするの?」
「こうするんだよ」
私は魔法を使うと二人に分裂した。
「ええっ!? お母さんが……二人!?」
私は制服を着る。コピーの方も私が操れるので自由に使える。
「「音色お姉ちゃん大好き!」」
「……(なにこれ可愛い過ぎない!? 双子のお母さんめっちゃ可愛い!)」
ちなみにコピーとの違いはオッドアイが逆になっているところだけだ。力や能力は劣化しているが、それ以外は全く同じだ。
「「お姉ちゃんが二人いるー! おそろーい!」」
「「おそろーい! いえーい!」」
「「いえーい!」」
私は歌音と奏とハイタッチをする。
「ほら、早く席に着きなさい」
「「「「はーい」」」」
ティナの一言で私たちは席に着く。
「何もそこまで合わせなくてもいいんじゃないかな?」
「別にいいでしょ? あと、そっちのコピーも私だから内緒話とかもできないよ」
「え? 別人格とかじゃないの?」
そんな訳ないでしょ……
「コピーの五感も私に伝わってくるんだよ。それに私がコピーを動かしてるんだから……」
「へえ、そうなんだ……」
「じゃあ音色! これを着るんだよ?」
私は喫茶店の制服の青色バージョン(子ども用)を取り出す。
「それ、何種類あるの……」
「知らない。じゃあ戻すね」
「え? うわっ!? 小さくなってる……」
「はいこれ今日のために買った音色のパンツ」
私は音色にパンツを差し出す。
「(最初からそうするつもりだったんだ……)」
「「音色お姉ちゃん、小さくなってる!!」」
歌音と奏は可愛いね。二人の分も用意しておかないとね。何色がいいかな?
「ティナ、随分子どもが増えたな……」
「そうだね。(私も幼女になりたいな……)」
「ごめんねティナ。ティナは幼女の時期が無いからできないんだよ」
「そんな!?」
「お前……」
私たちは海の近くにあるホテルに向かっていた。




