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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第10章 ティアの中学生生活
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第145話 喫茶店と秋さん


 オリエンテーション合宿が終わり、今日はその代休日だ。もちろん仕事である。


カランカラン♪

「いらっしゃいませ」

「ホントに働いてるんだ。ティアちゃん」


 来なくていいって言ったのに……


「ご注文は?」

「ティアちゃんとお話」

「では決まりましたら注文して下さい」

「ちょっ! そんなに華麗にスルーしないでよ! じゃあトーストちょうだい!」

「トーストだね。持ってくるよ」


 私はカウンターに行ってトーストを作る。


「お待たせしました」

「これティアちゃんが作ったやつだよね」

「そうだよ?」

「私って幸せものだな」

「そうですか。お会計は5000円です。まいどありがとうございました」

「高いよ! それに帰らないよ!」


 なんでだよ! さっさと帰ってよ!


「ティア、お疲れあとは私が……やっぱりいいや」

「待てアテナ! ここからはお前のステージだ! じゃあ私は上がるから!」


 私は音もなくして奥に行こうとする


「ティア、秋さんの相手お願いね」

「やだ」

「やらなかったらティアと武瑠のこと雪奈さんに言っちゃう!」

「やります」


 はやく戻ってゆっくりしたかったな……


「なんか私微妙な気分なんだけど」

「「気のせいだと思うよ!」」

「気のせいな訳あるか!」


 仕方ないな……話に付き合ってあげよう。


「そういえば日向さんは?」

「日向は今日は用事があって来られないそうだ」


 っていうことはまた来るんだね。


「それよりティア、あの人昨日見た気がするんだが……」

「ああ、音無さんだね。いつもはここにいるよ。昨日はたまたま出掛けてたらしいよ」

「そうなんだ……なんか悩んでない?」

「多分アイデアがないんだよ。だからそろそろ面白いものが見られるよ」

「ティアちゃん、私は見せ物じゃないですよ?」


 そんなこと言ってると来ちゃうよ?


カランカラン♪

「ノ・エ・ルさーん♪ 原稿は?」

「す、すいません! ま、まだなんです!」


 音無さん可愛い…もう28なのに…


「私、先週なんていいましたか?」

「ひっ! 来週までには終わらせるようにと……」

「それで今日がその来週なんですけど?どういうことですか?」

「今はまだアイデアがっ……」


 朝日さんさすがに襟元を掴むのはどうかと思いますよ。


「今すぐに終わらせてください!」

「は、はひ!」


 音無さん涙目になっちゃって可愛いよ!


「ティアちゃん、ノエルってあの小説家の?」

「そうだよ」

「マジか……(あとでサイン貰お)」

「今はダメだよ?」

「なんでティアちゃんは私の心が読めるの?」


 まあ、私ですからね。さて、そろそろ切り上げるよう。


「じゃあ私はもう上がるからまた明日ね」

「そうか、じゃあ明日ね」


 私は秋さんと別れて自室に戻った。なんか秋さんって少し紅葉っぽいところあるような気がするよ……

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