第141話 父親と銀髪翠目の幼女
今日はオリエンテーション合宿2日目で行動班に別れて各自自由に動いていいらしい。
「ティアちゃん、どこに行く?」
昨日ホテルから見た感じ何も変わってなかったからな……
「よし!温泉に行こう!」
「……外に出ようよ!」
「なんで!」
「「当たり前でしょ!」」
ううっ……自分だけの時間が……
「ほら、行くよ」
「ううっ……」
私は秋さんに引っ張られていった。
~~温泉街~~
私たちは今お土産を見ていた。
「ティアちゃん、こういうのはどうかな?」
「ん?それでいいんじゃないの?」
「ずいぶん他人事だね」
だって私は部屋でのんびりしたかったし…
その後お土産を買ってその辺をうろついていた。
「キャアーー!」
!?悲鳴!殺人事件か!
「おら、どけ!」
ナイフを持った人がこっちに向かって走ってくる。
「待て!」
警察の人かな?誰だろうなあの見覚えのあるダンディーな刑事さんは……
「クソっ!もう来たのかよ!こうなったら」
「「え?」」
私は銀髪に翠色の瞳をした幼女と一緒に刃物を持った人に持ち上げられてナイフを突きつけられた。
「くるな!こいつらがどうなってもいいのか!」
「クッ…」
あっ、私たち人質なんだ。
「ティアちゃん!」
「ほう、ティアちゃんっていうのか。見てみれば結構可愛いじゃねーか。持ち帰って俺の嫁にしてやるよ。おっ、お嬢ちゃんもなかなか可愛いな、名前はなんて言うんだ? お前も一緒に俺の嫁にしてやるよ」
ふざけんじゃねー!なんでお前なんかの嫁なんぞにならなきゃいけないんだよ!それにこの幼女は私のものだ!時間停止!
まわりの時間が止まり、その間に私は刃物を奪い捨て、男の象徴を蹴った。そして時間を戻す。
「グハっ!?」
「「「!?」」」
突然刃物が落ちて崩れ落ちた男にみんな驚いていた。
「今だ!確保ー!」
男は逮捕された。そしてダンディーな刑事さんが近寄ってきた。
「大丈夫かい?怖かっただろ?(女になった宏輝に似てるな。あいつは元気にしてるかな…それにしてもなんだ今の…)」
「いえ、大丈夫です!」
銀髪幼女が大丈夫と言ったあと、私はその刑事さんの耳元でこう言った。
「(大丈夫だよ。ありがとうお父さん)」
「え?」
「じゃあね。刑事さん!」
私はそう言って秋さんたちのところに戻る。
「ティアちゃん!よかった!」
私は秋さんに連れて行かれた。
「お姉ちゃん待って!」
私は銀髪幼女に抱きつかれた。
「お姉ちゃん! イリスを守ってくれてありがと!」
私は銀髪幼女の頭を撫でる。
……どうしてわかったんだ? まあ、いいか。
「イリス! 大丈夫!?」
「小鳥お姉ちゃん! 大丈夫だよ! 早く帰ろ! じゃあねお姉ちゃん!」
銀髪幼女は保護者に抱っこされて立ち去って行った。
まだ3歳ぐらいだったのに随分立派な娘だったなぁ……イリスちゃんね。よし、覚えた。
「(宏輝だったのか…元気にしててよかった…今度研究所に行って見ないとな)」
「神戸警部どうしました?」
「いや、何でもない。じゃあ俺たちも行くぞ」
「人質の方はいいんですか?」
「ああ、別に俺たちが見てた通りだし、知らない情報は入らないだろう。あの娘たちも大丈夫って言ってたしな」
「ずいぶんしっかりした子ですね」
「そうだな。じゃあ行くぞ」
「そうですね」
警部になってたんだ……まあいいか。じゃあ私も合宿2日目を楽しもう。
この世界ではイリスちゃんはただの幼女です。
イリスちゃんは『幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました』の主人公です。是非見てください。
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