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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第8章 ティアの小学生生活2
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第127話 葵の彼氏と茶番劇


 今日は葵の彼氏が来る日になっているが、先生の家でやらないといけないので私はカラコンを付けて先生の家に向かう。


「先生! 準備はできた?」

「余裕だ! ティア!」

「お父さん、お母さん、そんなに張り切らないでよ……」

「お母さん! 私も準備完了だよ!」

「音色まで……」


 私たちが準備を終えた所で雄大さんが来た。


「こんにちは、雄大さん」

「ティルちゃん? 久しぶりだね」


 まあ、今はティルだからいいかな?


「お久しぶりです。葵がお世話になっています」

「いえ、こちらこそお世話になっています。おかあ……ティルちゃん」

「ふふっ、お義母さんでも構いませんよ。どうぞこちらへ」

「ありがとうございます」


 この人話したことないけど、こんな人ではなかったはず……


~~飯田家和室~~


 こういう時ってやっぱり和室だよね。


「どうぞ」


 私はお茶を出す。


「ありがとうございます」

「はい、音色、葵」

「ありがとうお母さん」

「お母さんありがとう」

「先生も」

「ああ、助かる。で、今日は何のようできたんだ?」


 これはわざとだね。まあいいでしょう。


「お義父さん、俺に葵さんをください!」

「お前なんぞにうちの葵はやらん!」


 それ、言いたいだけでしょ……葵もそういうのはわかってるからもうツッコミはしないんだね。


「そこをなんとか!」

「お前なんぞにやらんわ!」

「先生、言葉が足りてませんよ?」

「……お前は葵のどういう所がどうして好きになったんだ? そしてうちの嫁をどう思う!」


 さすがにこれを読み取るのは難しいでしょ……最後の所とか絶対……


「俺は葵さんは普段は明るくてしっかりしてるますが時々見せる恥ずかしがっている顔や涙目で甘えてくるような所がとても俺を満たしてくれたんです! ティルさんに関してはとてもロリっ娘で可愛いらしいと思います」


 最後のが無ければ私的には完璧だったんだけどな……


「素晴らしい! ティルたちへの評価は完璧だ! だが、俺はお前の力が見たいんだ!」


 このロリコンは一体何を言ってるんだ。力か……よし!


「はい、どうぞ」


 私はトランプを出した。


「これは?」

「トランプだ! 確率とは運だ! 運が無ければ何も出来ない! だから私はお前にカードを見せる。そのカードをお前が当てられれば葵をくれてやろう!」


 結構無茶ぶりだな……


「お父さん! いくらなんでもそれは!」

「黙れ音色! さぁ、やるのか? やらないのか?」

「……やります」


 私はトランプをきって先生に差し出す。


「お前が当てるのはダイヤの6だ!」


 私は再びトランプをきる。そして机に並べた。


「確率は53分の1だ! さあ当ててみろ!」

「……」

「雄大さん、自分の運命を信じてみなさい。それがあなたの道だから」

「ティルさん……よし! これだ!」


 雄大さんがカードを引くとダイヤの6だった。


「……おめでとう。葵をお前にくれてやる」

「お義父さん……ありがとうございます!」

「全く……」


 私はトランプを全て表にする。


「え?」


 トランプは全てダイヤの6だった。


「さっきまでのアレは8割茶番ですよ。元から先生はあなたに葵をあげるつもりでしたからね」

「そうだったんですか……」

「ですが、ボクはあげるなんて言ってませんよ!」

「お母さん!」

「おい、ティル! どういうつもりだ!」


 ここから先は私のターン(茶番)


「葵はボクのもの。あなたにはやらないわ!」

「「(あっ! これ茶番だ!)」」


 先生と音色は気づいたようだけど、葵は気づいてないね。ちなみに茶番をやる理由は少し前に『平行世界の私』が何者か(ことりちゃん)に関節を決められてるような気がしたから。


「葵が欲しければ、私に勝ってみなさい」

「何を勝負するんだ!」

「ボクが中学生の時のクラスメイトに隠してることを1つ明かしなさい! チャンスは1回、好きなことを言いなさい!」



 数分後……



「……お前は死んだだろ」


 意外だ……そんな回答をしてくるとは……


「どうしてそう思うの?」

「お前が子どもを産んでから1度も登校していない上にお前の体は小さすぎる。その体で子どもを産めば必ず死ぬ」

「じゃあボクはなんなの?」

「お前はティアちゃんだろ……」


 そこまで見抜くとは……


「凄いね。正解だよ。まさか見抜くとは思わなかったよ。葵は任せるよ」


 私はカラコンを外す。


「ありがとうございます。ティアちゃん」

「お義母さんでもいいんだよ?」

「いや、お義母さんはティルちゃんだから」

「ティアちゃんは私達のお母さんだよ?」

「え? 何言ってるの?」


 混乱してるね。


「ホントだよ。雄大さん」

「え? ティアちゃん? どういうこと?」

「私は田辺ティルスティア、神戸ティルだった人で、今は時間の神ティルスティア・アメジストだ!」

「「「はあああああああ!?」」」


 この後むちゃくちゃ質問攻めされた。

平行世界については本編とは何も関係ありませんが、22話と23話にはティアと紅葉とティナが登場しています。

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