第109話 武瑠の正体
今日は夏休み最終日で今私は雪奈と一緒にティナの元に向かった。
「ティナ、昨日武瑠くんから聞いたこと全部話なさい」
「わかったよ。でも直接本人に聞いたほうがいいよね。武瑠! 昨日のこと、話なさい!」
お、おう。なんかティナが怖かった……
「ティア、おばさん、実は俺転生者なんだ」
「「へぇーやっぱりそうだったんだ」」
「なんでそんなに平然としてるんだ?」
それは私が転生者だからだよ?
「っていうか今やっぱりって言ったな!」
「だって今までの武瑠が私にしてきたこととかやってきたこと私全部知ってるからね。知らない振りしてただけで」
「は?」
武瑠だけだよ……気づかなかった奴は……
「それで武瑠は何なの?」
「さっきのはスルーするんだな……俺はこことは違う世界から転生してきたんだ」
ほほう。それはつまり異世界ですか……
「魔法だって使える。俺は世界最強の魔術師を目指すために転生したんだが、この世界には魔法という概念じたいが存在していないと思われているようだな」
それってつまりさ……あれじゃね?
「つまり武瑠は今世界最強の魔術師じゃないの? おめでとう夢が叶ってよかったね」
「そういうことじゃねーよ! やっぱり前世であったような強敵と戦いたいんだよ!」
やっぱりそういう感じか……でも私にはどうしようもないしそんなことより
「そんなことより武瑠はいつ思い出したの?」
「入学式の翌日だ」
つまり武瑠は私を着替えさせる時に転んだのはわざとなのか……
「つまり武瑠はエロ親父だったのか……」
「だ、誰がエロ親父だ! 俺は前世では彼女は愚か童貞だったんだぞ!」
お疲れ様、というか同士よ……
「お前の願いは叶うまい! 貴様は一生童貞だ!」
「なんでだよ! お前約束したじゃねーか!」
「別に結婚すると約束しただけで別にするとは言ってない」
「なんだと! っていうかなんでお前はそんなに詳しいんだよ!」
「それは私が神だからだー!」
なんかティナたちが興奮してるね。どうしたのかな?
「そ、そうか。そういえばお前は神様だったな……」
「まあ、神様パワーとかはないけどね」
「あの速度と怪力は十分神様だと思うが……」
「そうかもね。でもその神様に君は手を出したからね。アルトリア君」
なんかふと、頭の中に浮かんできたね。神様だからかな?
「マジか……」
「「え! 武瑠ってあのアーサー王の生まれ変わりなの!?」」
「そうだ。この世界じゃ俺は伝説上の存在になっているが、元の世界では俺は実在している。だがこの世界のアーサー王みたいに他に仲間がいた訳じゃない。所詮俺はボッチだったのさ……」
お疲れ様です……まあ昔は私もボッチでし……いや、決して私はボッチなんかじゃなかったから!
「まあ、頑張って目指しな……世界最強の剣士」
「魔術師だって! 剣士はもうどうでもいい!」
「そう……まあいいやこれからもよろしくね。武瑠」
「よろしく、ティル」
お前が軽く言っていい呼び方じゃねーんだよ!
「お前次言ったら貴様から魔力を奪いとるぞ!」
「お、お義父さんがそうやって呼んでたから呼んだんだがダメなのか……」
言い訳ないだろ!
『お前なんぞにうちのティルはやらん!』
今なんか聞こえたけど、気のせいだね。




