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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第7章 温泉旅行と夏休み
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第107話 記憶喪失


 私は目を覚ました。


「ここはどこ?」

「ティア、あなたの部屋よ」

「誰!?」


 私は知らない女の人がいて驚いた。


「!? ……あなた、自分の名前覚えてる?」


 私の……名前? 誰だっけ? 

 私は首を横に振る。


「……ちょっと待っててね。いまお医者さん呼んでくるから」


 女の人は部屋を出ていった。私は誰だっけ? 何をしてたんだっけ? 考えていたら女の人が帰ってきた。


「お医者さん呼んできたよ」

「お嬢さん、ちょっと調べさせてくれる?」


 私はお医者さんに首を縦に振る。


「ありがとう」


 お医者さんはいろんなことをした。そして


「この写真に見覚えは?」


 女の子と男の人が結婚式を挙げてる写真を見せられた。なんか安心するな……

 でも見覚えはないから私は首を横に振る。


「……そう、しばらくは様子見ね」

「紅葉! ティアは大丈夫なの!」

「わからない」

「…………」


 なにか二人で話してる……どうしたのかな?


「ティア、私はあなたのママよ」

「ママ?」

「そうよ」


 どうやらこの人がママらしい。そして私の名前はティアっていうらしい。お腹空いたな……


「ママ、お腹空いた」

「そう……じゃあ作ってくるね。紅葉ありがとう」

「じゃあ私は戻るからまたあとでくるね」

「わかった」


 お医者さんとママは部屋から出ていった。

私はどんな人だったのかな……とりあえず部屋を見てみよう。


「本が多いな……私って本が好きだったのかな?」


 これは? おもちゃの指輪かな? なんでこんなに大切に保管してあるのかな?

 こっちは髪留めだ。ベッドの横に置いてあったから私が付けていたものかな? 綺麗だな……

 それからしばらく部屋を見てまわった。するとママがご飯を持って部屋に入ってきた。


「はい、ティア食べていいよ」

「うん、いただきます!」

パクっ

「おいしい」

「よかった」


 ママの料理は凄くおいしいかった。


「じゃあティア、お風呂に入ろうか」

「お風呂……」


 私は気づいたら体が震えていた。怖い……


「お風呂……怖い……」

「……そう。じゃあもう寝なさい」

「うん……」


 私は眠りについた。


ーー雪奈視点ーー


 一体どうして記憶がなくなったのかな……お風呂が怖いって言ってたけど、お風呂で何かあったのかな? となるとあの時ティアとお風呂に入ったのは武瑠くんのはず……武瑠くんが何かしたのかな……ティナに聞きに行こう。


「ティナいる?」

「どうしたの雪奈?」

「実は……」


 私はティアの状態と武瑠くんについて話す。


「武瑠が何かしたのかな……武瑠!」

「何母さん?」


 あれ? 母さんなんて呼んでたっけ? ティアの前では呼んでることはあったけどそれ以外はママだったはず……


「ティアちゃんにしたこと全部言いなさい」

「何もしてないよ」

「ホントに? ティアちゃんに変なことしたんじゃないの?」

「してないよ」

「嘘を言うな!」


 うわっ! ティナ怖くない? 何あの威圧感……っていうか今の嘘だったの?


「最後にもう一度だけ聞くわ。本当にティアちゃんに何もしてないのね?」

「……ごめんなさいしました」


 ティナ凄いな……ってそうじゃなかった。


「武瑠くん、何をしたの?」

「それは……」

「武瑠! 言いなさい!」


 やっぱりティナは怖いな……怒らせないように気をつけよ……

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