第101話 ティアと音無さん
私は今日からブラック企業に勤めることになりました。まあ、一応8時間ぐらいだから法律的にはセーフなんだけど。
開店時間……
「いらっしゃいませ音無さん」
「こんにちはティアちゃん今日から8時まで開店するんですか?」
「1人従業員が増えたので夕飯の時間まで入れないと収入が入らないので」
正確にはあの二人が気づかなかっただけなんだけどね。
「確かに今までの人数ではあまり賄い切れませんからね。いつものお願いします」
「わかりました。私は途中からティナと交代するんですよ。でも長い時間働くんですよね。最近ママたちはトースト作ってからは全部私に丸投げですから」
「そうなんですか。まあティアちゃんは法の抜け穴みたいなものですから」
法の抜け穴とは……
「はい、音無さんトーストとカフェオレです」
「ありがとうございます」
それから数時間後……
カランカラン♪
「いらっしゃいま……」
昨日の人たちがきた。
「おらぁ! 昨日はよくもやってくれ……グハッ!?」
「あにk……グアッ!?」
私は、一撃で気絶させ即座に縛りあげ警察を呼んだ。
「せめて最後まで言わせてあげましょうよ」
「いやー面倒だったからすぐに片付けたくて……」
その後警察が来て再び連行していった。私はこれでも幼女なので警察の人に怖かったって上目遣いで言ったら警察の人からは無理はするなよ呼んでくれればすぐに駆けつけてやるさと言われました。
「嘘はよくないと思いますよ?」
「別に怖かったのは半分間違ってないですよ? お店からお金が消えるのは怖いですからね」
「普通は強盗本体を怖がるはずなんですけどね……」
「そういう音無さんも平然としてましたよね?」
「私は怖いものなんてありませんから」
さすが音無さん……
カランカラン♪
「いらっしゃいませ」
「ようやく見つけましたよ! ノエルさん!」
私が敵だと思う奴がきた。
あれ? 音無さん? 怖いものはないんじゃなかったんですか? 凄い怯えて見えますよ?
「ちょ、ちょっと待って下さい! まだ終わってないんです!」
「またですか! もう締め切りは過ぎてるんです! 今日中に出して下さい!」
「わかりましたからそんなに詰め寄らないで下さいいいぃぃぃぃ!!!」
音無さん少し涙目になってて可愛い……いつも笑ってるからああいう顔がすごくいい……写真撮ろ
「どうもすいません迷惑掛けてるみたいで」
「いえいえそんなことありませんよ。見ての通りお客さんは少ないというか居ませんから」
ホントにね。人なんて私含めて3人だなんてなんでだろうね。
「……そうですね。あっ、私は朝日といいます」
「朝日さん、私はティアっていいます」
「ティアちゃんですか。可愛いですね。じゃあコーヒー下さい」
「わかりました。そのうざったい胸を磨り潰したらすぐに淹れてきますね」
「え?」
「ふふっ、冗談です」
私はコーヒーを淹れていると
「ずいぶん手際がいいですね」
「従業員たちは2階でサボってますからね。この時間は法の抜け穴である私しかいませんよ」
「法の抜け穴って……」
最低賃金の半分以下の賃金にこの労働時間。十分ブラックですね。数日後に倒れそうだね。
ちなみにこの日は休日よりもお客さんが多くきました。夕飯の力って強いですね。




