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元帥府戦藻録

 マリアナ沖海戦の敗北により、マリアナ諸島、及び、ビアクが敵の手に移れり。サイパン島陥落により絶対国防圏は崩壊し、ついに東條内閣は総辞職す。これにより、敵は我が本土空襲の拠点とパラオ、フィリピン方面への進出の土台を獲得せり。


 2604年10月、台湾沖に現れし有力な敵機動部隊に対し、所在の基地航空部隊は直ちに出動す。さらに錬成途上の空母艦載機部隊をも投入し攻撃に加う。日々の戦果、赫々たるものあり。即ち、敵航空母艦合計11隻を撃沈、同8隻を撃破せり。陛下より御賀賞せられしも、戦果の実情は敵艦4隻程度撃破にとどまるとの厳しい見方あり。

 連合艦隊は台湾南方へ志摩艦隊を残敵掃討のため繰り出すも、敵空母部隊の健在なるを見て引き返したと言う。台湾沖の大戦果は架空のものやも知れず、内心複雑なり。


 

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