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第44話 夜間着艦

 攻撃隊からの入電に司令部一同が驚いたのと同時にワッと言う歓声も同時におきた。


「お目出度う。お目出度う」


 古村少将が参謀と握手を繰り返している。


 小沢中将が私の近くに来て握手を求めている。


「島村様、薄暮攻撃のご啓示、ありがとうございました。しかし、いまだに信じられません。あれほどにまで練度の落ちた一航戦が……やればできるものですねぇ」


 私も手を握り返して言う。


「これから、夜間着艦です。本領発揮を願いたいものです」


 午後8時半から大鳳の艦上で着艦用の誘導灯が灯される。


 そこから、1機着艦するごとに歓声がおきた。灯火管制なにするものぞである。


 やがて、攻撃隊が帰還し艦戦18機中8機、艦爆27機中12機、艦攻9機中3機の計54機中23機が収容された。


 次の日、19日は日米両軍による索敵合戦となった。


 小沢機動部隊は午前3時30分から索敵機を43機飛ばして西に消えた米空母の影を探し、午前6時半から午前7時頃にかけて「敵空母群発見」の報を得ていた。


 逆に米機動部隊の索敵は小沢機動部隊を発見できず、やむなくグアム島基地航空隊に攻撃を仕掛けていた。


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