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第35話 敵輸送船見ユ

「前方に敵輸送船15隻」


 ハルカがそう言うと、三川中将は左変針、右舷砲戦を指示する。『鳥海』、『青葉』、『加古』、『衣笠』がきれいに変針して砲撃に備える。


 20.3センチ砲28門による輸送船砲撃が始まると暗かった戦場が燃え上がる物資で赤く染まる。


 一隻、また一隻と火柱が増えていき、甲板からは万歳三唱が聞こえる。


 艦橋では三川中将と早川大佐が手を取り合って喜んでいる。艦橋でも上がった火柱の数を数えて大盛りあがりだ。


 遂にその火柱の数が15本に達した刹那だった。


「敵巡洋艦3隻、北方向」

 唐突にハルカの声が聞こえる。


「左舷砲旋回、左舷砲戦準備」

 三川中将が号令を下すとともに『ヴィンセンズ』、『クインシー』、『アストリア』の3隻が目に入る。


 よく見ると『古鷹』、『天龍』、『夕張』、『夕凪』の4隻が追撃しており、ちょうど逃げてきた場所に『鳥海』以下4隻が加わった形となった。


 魚雷を2発ずつ斉射し、左舷砲戦を開始する。『アストリア』の艦型は遠くから見てもわかるほど上部構造物が吹き飛ばされて無くなっている。


 『加古』の放った魚雷が『アストリア』に命中し、『アストリア』が右舷に傾いていった。


 『クインシー』には『夕張』の放った魚雷と『鳥海』の放った魚雷が命中し、ほぼ機関を停止しており、『ヴィンセンス』も気息奄々の状態だ。


 あと5分この状況が続けば、素晴らしい完勝劇となるはずだった。

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