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第27話 ミッドウェー島の攻略
午後2時、『筑摩』の零式三座水上偵察機で『赤城』に戻ると10時間後に迫ったミッドウェー島上陸の準備に追われていた。
やはり艦砲射撃の威力は絶大で、サンド島、イースタン島の2箇所の飛行場は全く活動を停止し、防空陣地も機動部隊の空襲でほぼ沈黙してしまったようだ。
ミッドウェー島に立てこもっているのは海兵隊など四〇〇〇名である。
これに対して日本の占領予定部隊は陸軍の一木支隊と海軍の一個陸戦隊で二四〇〇名と数としては劣勢だ。
しかし、周囲を二〇〇〇キロの絶海の孤島にあるこの島で孤立無援の米軍に対し、これから戦艦『大和』を旗艦とする主力部隊、兵員と地上砲撃支援部隊からなる占領部隊が逐次到着してミッドウェー島沖が柱島泊地のように連合艦隊で埋め尽くされる予定になっている日本軍とでは、その数の差は物の数ではない。
ここからは力押しに押して、ミッドウェー島に白旗を掲げさせるのは容易いだろう。
「そろそろ、帰る頃合いかもしれんな」
そう私が言うと、イソエも頷いて転移を開始した。




