表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オールラウンダーズ!! 転生したら幼女でした。家に居づらいのでおっさんと冒険に出ます(web版)  作者: サエトミユウ
王都編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/366

92話 ダンジョンアタック開始!

 無事ワイバーン狩りも終了してお次はダンジョンだ。

 ソードは単体で五十層くらいまでは行ったそうだ。

「となると、百層くらいはあるだろうな。

 最後のボスはエンシェントドラゴンがセオリーだ」

 って言ったら、唖然とするソード。

「マジか?」

「もちろん。古竜か……ワクワクするな。絶対しゃべれるだろうから、是非是非会話せねば」

 恐らく創世記からいるだろう、が、そのダンジョンがいつから出来たかが問題だな。

 ダンジョンが出来上がって閉じ込められてたら、以降の世俗の状況は知らないだろう。

 まぁ、創世記の話を聞かせてもらおう。

「お前って、そんなに知識を持ってるのに、まだ必要なのかよ?」

 ソードが呆れた声を出した。

「別世界の知識はあるが、この世界の知識が少ない。それに、知りたいことはたくさんある。言っておくが、冒険者とはそういうものの、はずだ。学者は机で冒険者がもたらす情報を論じ、冒険者は知りたいことを探求しに外へ出かけ、未知と遭遇し、時に会話し、時に発見し、時に採集および狩猟する。わかっているか?」

 指をビシ!と突き出した。

「大丈夫、わかってきた。で、会話、採集、狩猟するときも楽しむ、ってことだろ?」

「そーーーーだ!」

 ソードは笑うと、頭をなでてきた。

 あ、ソードがちょっとだけ年齢相応に見えたぞ?

 やっぱり美容製品の効果はソードにもあったな。


 ダンジョンへ向かう道中、なんだかすごい歓待されてるんだけど?

「…………?」

 首をかしげたら、ウンザリ顔のソードが頭をなでた。

「確かに、踏破する、って言ったけど、コレはねーだろ。プレッシャーかけようとしてんのか?」

「ん? ダンジョン踏破で皆がワクワクしてるってことか? なら、挨拶した方がいいぞ? ワクワク感は、皆で味わうべきだ!」

 ひらり、とリョークの上に乗り、拡声魔術で叫んだ。

「ダンジョン踏破にワクワクしている諸君! 今から私とソードが、ダンジョンの最深部まで行って、ボスと会話して倒してくるぞ! 冒険譚を……語るような冒険譚があれば、語ってやる! 楽しみに待っていろ!」

 ワーッと盛り上がり、なぜか笑ってるやつもいる。

「ソードも乗れ! お前も宣誓しろ!」

 ソードが額に手を打ったが、ため息をついた後、決心したようにリョークに乗った。

「冒険者ソードだ! 横にいるインドラと、【オールラウンダーズ】ってパーティを組んだ! これから俺とコイツと、このゴーレムでダンジョンに潜る! 必ず最深部まで到達してみせよう!」

 今度は笑われずに、ものすごい歓声に包まれた。

「なぜ、私は笑われたのだ?」

 首をかしげると、ソードが笑う。

「お前のワクワク感は、バカっぽいからだよ」

 ひどいこと言われた。


 ダンジョン前も、ものすごく盛り上がっている。

 選手入場の際、歓待するファンのようだな。

 あるいは初売りで来場する際のスタッフ。

「ハイタッチしながら入らなければならないお作法か?」

「ねーよ。

 何の祝だ」

「そうだな、どちらかといえば無事に踏破したときにやりたいな」

 ソード、ちょっと考えて、

「あ、それはちょっと盛り上がるかも」

 思いついた感じにつぶやいた。


 ソードが、念のためっぽく訊いてきた。

「答えはわかるが念のため訊くわ。俺、五十階まで到達してて、五十階までショートカット出来る魔導具持ってんだけど、使うか?」

 ブルブルブルブル。

 高速で首を振る。

「だと思った。地図は……いらねーよな。お前とリョークが作る地図の方が高性能だ」

「お前は一度通った道をまた通るのはつまらないか?」

 逆に訊いた。

「つまらないなら先に五十階に行ってて待っててくれればいいぞ? 私ははじめてだから、順に通っていきたい」

「一緒に行く。楽しむって決めたからな!」

 おぉ!

 ようやくその気になったか!

「じゃあ、どうせ浅い階は簡単そうだから、止まらない縛りで行きたい。お前は私の通った足跡を、間違いなく辿る、って縛りで行け」

 ソード、笑顔で固まった。

「……難易度、高くねーか?」

「大丈夫だ! お前なら簡単すぎて欠伸しながらでも出来るだろう!」

「ちょっと止めてよ、俺って普通の人間だから。お前みたいな超人と一緒にしないでよ」

 何言ってるんだ英雄様が。ウププ。

 って考えた途端!

「にゅー!」

 また唇つかむー!

「お前のその顔、ムカつく」

 理不尽だ!


 スマートウォッチみたいな、SFアニメぽいリストバンドを渡す。

「そのリストバンドは無線通信魔導具だ。そのままでも会話出来るが、腕を近づけた方が聞き取りやすいし話しやすい。他に、タップする、もしくは命令すればリョークが作った地図が出る」

 私は青緑、ソードはホワイトベースだ。

「お前って、たまーにこーいったかっこいいの作るんだよなー。地図が出る以外の機能はあんの?」

「生体情報だな。健康状態がわかるぞ。あとは、時計機能だ。あの、もらった懐中時計もレトロで良いものだが、冒険者はこっちの方がすぐわかるからな。魔素で動くと思うが、残量次第ではしばらく魔石を当ててくれ。他にも[アプリ]を[インスト……失礼、機能を入れられるぞ? 希望が出たら言ってくれ」

「了解!」

 うれしそうに言った。

 絶対、ソードってガジェット好きだ。

 別世界にいたらSFアニメにハマるタイプだな。


「さて」

 柔軟体操し始める私たち。

 リョークなんてやっても意味ないのにやってる。

 超ラブリー‼

 順番が来て、ソードが掛け声。

「よし! 行くぞ!」

 突入した。


ようやく王都のダンジョンに潜りました!

簡単にはクリア出来ません。暫く続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

2021年9月10日 カドカワBOOKSより発売

オールラウンダーズ!! 2 転生したら幼女でした。家に居づらいのでおっさんと冒険に出ます


著者: サエトミユウ / イラスト:又市マタロー


+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ