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異世界リリーフ ~球の勇者の世界扉~  作者: 渡久地 耕助
私の勇者の武器は球です。
8/9

代償

一日、休暇で少し回復…

更新ペースは落ちますがチョクチョク更新予定。

 召喚型勇者、次元の悪魔


 この二つの存在のことを未だ完全に理解していないが、共通するのは異世界から来た存在で、強大な戦闘力を持っている事だ。


 召喚型勇者が世界を渡ることで超能力を獲得する事から次元の悪魔も世界を渡ることで現地の勇者をも上回る程の能力を得たのではないかということだ。


 そして、次元の悪魔現れる前兆として起きる、「次元の割れ目」その周囲で疫病、飢饉が発生、魔物、迷宮の活性化が起きている。


 これは次元の割れ目の向こうからこの世界にとって未知の病原体、つまる抗体の無い病原菌もやってきているのでは?


 そして、ここからは想像を飛躍させているが、魔物が人間同様に疫病で死なず、活性化している原因だが、初めは人間同様に疫病に感染していたのではないだろうか?


 野生の草食動物が未知の病原菌に感染した同族の死骸を喰らう事で抗体を獲得し、疫病での絶滅を防いだという事例をどっかの医療漫画で読んだことがある。


 人間は死んだ同族を埋葬し、共食いを忌避する故に、魔物と違い、活性化が起きていないのでは?


 飢饉は逆に次元の割れ目から生命力か魔力若しくはその両方を吸い取られた結果だとしたらどうだろう。

 

 創作物でよくある魔法には魔力という要素が存在し、それは自然界や生物に宿っている様に取り扱われている。


 現にタマオに水晶玉で診断してもらったところ、俺の体内にMPと呼ばれる魔力量が存在した。

 

 生命力に溢れる魔物が疫病や飢饉の影響受けずに死に絶えず、逆に異世界から流れ込む恩恵を受けて活性化したのだとしたら……

 

 そして、召喚型勇者は次元の割れ目の近くでは無く、体をまるごと召喚される為により強く、その恩恵を受けることが出来る上に、初めから抗体を獲得してる為、疫病や飢饉等のデメリットを廃し、メリットのみ受ける故に強力な存在へとなっていたのではないか?

 召喚魔法も、俺の世界扉も成功と同時に時間経過か、渡りきった後で、多次元への道は「次元の割れ目」とは違い、開けっ放しではなく閉じられる。

  その為、疫病もドレイン効果というデメリットを最小限に抑える事ができた。


  では、異世界の人間が召喚では無く、此方の世界に渡る事が出来た場合、どうなる?


◆◇◆◇◆◇◆◇


 道具を磨く為のアルコール剤にインフルエンザの大流行時に買い込み埃をかぶっていた消毒剤も引っ張り出し、狭い部屋を消毒、殺菌しながら、その推測を二人に話す。


 次元の悪魔、その全容を把握していないがこの推測は的外れでは無く、筋も通っていると思う。


「ヒオ?召喚魔法の術式には勇者に対して言語力付与する要素が含まれていると聴いたが、術式に能力付与は含まれいるか?」

 

「い、いえ……召喚魔法に含まれている術式は

① 異界に通じる門の生成

② 念話を始めとした言語力付与

③ 視覚を始めとした感覚共有です。

召喚型勇者に見られる超能力を発現させる要素はありません。」

「タマオ?」

 ヒオの言葉の裏付けを意思を持つ武器?のタマオに取る。

『ええ、ヒオさんの言葉に嘘偽りはありませんね。付け加えるなら、③の感覚共有にはプライバシーとか皆無で、召喚者に能力の詳細を知られます。

 まぁ完全な契約には手順がありまして

①魔力共有

②体液交換

③真名の確認が必要ですね。』


「ああ、お前がやったあの詐欺まがいの契約な」

『ヒオさんの場合、術式にヒオさんの血液と魔力を使った魔法陣を使っていたため仮契約状態でしたが、一度ご主人様に逃げられた事、で繋がりが希薄になってますね。 精々念話で呼びかけるか能力の一部を知るくらいが関の山ですね。』

 

この駄球!スルーしやがった。

まぁ今は追求するのは後回しにしよう。 


「俺を世界平和の大義名分で誘拐した挙句、人身御供の様に扱おうとしたり、厄介な廃棄物を俺に押し付けたり、色々言いたいことは山ほどあるが、初めに言った様に……対価を支払う以上、協力はする。 その為にも、ヒオ…アンタを連れてきたわけだ。」


 言葉の前半で、ヒオの表情が青くなるが、後半から安心し出す。


 やっぱあだ名は信号機か?


「タマオ?ヒオが感染していないか、召喚勇者と同様に、何かしら補正能力を受けていなか診断できるか?」

 

 一応、部屋は殺菌消毒をしたが俺は医者じゃなければ、学者でも無いからな。 そんなすぐに病原菌に感染したりしないと思うが、最悪、病院にでも連れて行かないと。


……保険証がないから俺が全額負担するんだろうなぁ。


『うふふ、ご安心をご主人様 ご主人様のご要望に応えられな事などネェのです。 ではヒオさん、お手を拝借。』


「よ、よろしくお願いします。」


 タマオと疫病の危険に怯えながらも、召喚勇者と同格の能力、次元の悪魔の災害の謎の仮説等、希望が出てきた為、微妙な顔をしながらタマオに手をのせるヒオ。

 

何か既視感が?


 ……どうしよう、嫌な予感しかしない。


『見える、見えます、タマオさんの全てが、身長155cm、体重45kg  スリーサイズは上から「キャ━━━━!!」』

 

 顔を真っ赤にしたヒオがタマオの言葉をかき消そうと叫び声を上げる。


「誰がそんな事を調べろって言った!!」


 一体、何を考えて生きているんだこの駄球は!?

 自分に触れた相手に嫌がらせしないと死ぬ病気にでも罹っているのか!? 

 

 ドンドンドンドン!! ガチャガチャ!!


「ちょっと、児玉君!?さっきから五月蝿いよ? 一体何やってんだい!?」


 俺がタマオの蛮行を止めていると、大家さんが扉をノック

 つか、俺が婦女暴行でもしていると思ったのか、鍵を開けて入ってきやがった!!


「………あ~何やってんだい?」


 涙目で赤面した黒髪の西洋美少女、しかしコスプレ女

 怪しい光をビカビカと放つ水晶玉

 愚息は直立していないが、息を荒げて、ヒオの手に吸い付いている水晶玉を外そうと手を掴んでいる俺……


 うん、何やってんだろ、俺?


 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 


 あの後、MIBが使う記憶消去装置の如くタマオが赤い閃光を放ち大家さんの記憶を一部消して部屋から追い出した(本当に勇者の武器かこいつ?)後、ようやくヒオの診断が終わった。


「体はいたって健康ですし、ご主人様の想像通り特殊スキルが発現していますね~。だけど危惧していた事が一つ……彼女のレベルが初期化されてます。」

 

「「はい!?」」



************************

 ヒオ・K・アルフヘイム

 レベル     73→1(new)

 装備武器    無し

 装備      巫女服

 魔法      召喚魔法

 魔術      治療魔術・補助魔術・精霊魔術適性

 特殊スキル   【精霊化】(new)

 状態      健康(new)

***********************

 

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