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【受賞・書籍化】悪役騎士、俺。 ~悪役令嬢を助けたら、なぜか国を建てることになった件~  作者: 九條葉月


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ツッコミ


 シルシュ(ドラゴン形態)に咥えられた俺はされるがまま空を移動していた。


 普通に考えて生身の人間では風圧で酷いことになりそうなほど速度が出ているのだが……俺はなぜか無事だった。シルシュが防御系の魔法を掛けてくれているか、あるいは何らかの力場みたいなものが発動しているのかもしれない。


 まぁ、無事であるので理由はどちらでもいいのだが。今一番の問題はこのまま滅ぼされそうな魔族だろう。


「おーい、シルシュー。マジで魔族を滅ぼすつもりかー?」


『うむ、面倒くさいことはさっさと終わらせるのがいいじゃろう』


 俺を口にくわえているのに普通に喋っているシルシュだった。まぁ人間形態からドラゴンに変身するのだから口を開けずに喋ることくらいできるか。


「しかしなぁ、いきなり滅ぼすのは過激すぎね?」


『我の食事を邪魔したのだぞ?』


「いやいや、過激だって。ま~ドラゴン的には許せないのかもしれないがな、そこをグッと堪えてもらってだな」


『……人間にとって、魔族は敵じゃろう?』


「ま、そうなるな」


『アークは魔族から攻撃を受けた。しかも三度も』


 三度? 空を飛んできた魔族から攻撃されたのは二回だけだのはずだよな?


 ……あぁ、最初のヴィナとのバトルもカウントされているのか。


「まぁ、攻撃は受けたけどな」


『しかもアークだって拷問したり殺したりしたではないか。魔族は敵という認識なのだろう?』


 拷問じゃなくてニコニコ笑顔な質問です。というのは置いておくとして。


「まぁまぁ、ヴィナを見ただろう? 魔族の中にも話が通じそうな人間――じゃなくて、魔族もいるし、いきなり全員滅ぼすのはやり過ぎだろう?」


『ヴィナ、のぉ? アークはロリコンなのか?』


「なんでやねん」


『しかし、ミラにも手を出しておるし』


「おりませんが?」


『そのうえヴィナにまで手を出したのじゃから……』


「出しておりませんが?」


『完全にロリコンじゃろう?』


「ロリコンではないですね」


 そもそも俺の好みは『一筋縄ではいかない大人の女性』なのだ。


『……ふっ、つまり我のことか』


 口にくわえられているので表情は見えないが、きっとドヤ顔をしているのだろう。


 うん、シルシュは一筋縄じゃいかないよな。


 神話の時代から生きているのだから、大人の女性だし。


 だけどなぁ。なのになぁ。なんというかなぁ……。ちがくね?


『…………』


 口をぱかっと開けるシルシュだった。


 必然、口にくわえられていた俺は重力に従って海へと落ちていく。


 おぉおおおおおおおいっ!? ツッコミにしては激しすぎねぇええかぁああああ!?




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