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【受賞・書籍化】悪役騎士、俺。 ~悪役令嬢を助けたら、なぜか国を建てることになった件~  作者: 九條葉月


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魔王




 ドッカンドッカンと。景気よく攻撃魔法を放ってくる魔族の少女。いくら初級とはいえ連続であれだけ魔法を発動すれば魔力欠乏症になってもおかしくはないのだが……。平気な顔をしているな。やはり人間を遥かに超える魔術巧者であるらしい。いやうちの女性陣も割とあんな感じの人が多いのだが。


「どうやらあの首枷が魔力封じだったようですわね」


 なんか平然とした様子で解説してくれるリースだった。連続で攻撃魔法が飛んできているのにな。神経図太すぎない?


 それはともかく、どうしたものか。


 明らかに誘拐されていた被害者なのだから、叩き切ってハイおしまいというのは気が引ける。あと言葉も通じそうだし。


「いえ、魔族ですが?」


 呆れ果てた様子のリースだった。ははは、リースよ。この世界・この時代の価値観では難しいかもしれないが、人種差別はいけないぞ?


「いえ、人種ではなく種族からして違うのですが……。まぁ女たらしですものね」


 まるで女だから助けるみたいな物言い、やめくれない? 俺、事情があれば野郎だって助けようとするぞ? キングゴブリンとか。


 まぁリースも納得(?)してくれたところで。

 人間相手なら魔力を使い果たして魔力欠乏症になるまで攻撃させればいいのだが、相手は魔族だからな。どれくらいで魔力を尽きるか分からん。


 持久戦……。リースがいるのに無茶をするのもな。リース、攻撃力は凄いが防御力と持久力はそれほどじゃないし。


 あとはなぁ。この世界風のやり方としては、武器を持っている腕を切断して無力化。そのあと教会あたりにぶち込んで繋げてもらうという荒っぽいやり方もできるんだが……。魔法使いだからな。腕を切っても意味はない。

 呪文詠唱を止めるには再び猿ぐつわを嵌めるか、首を刎ねて呪文詠唱できないようにするしかない。


 いくら魔族でも、首を刎ねれば死ぬよなぁ。あと、美少女斬首というのはビジュアル的にたいへんよろしくない。どうしたものか……。


 …………。


 ……いや、首を刎ねてしまうのもありか?


「うわ、魔王」


 リースにドン引きされてしまった。お前さん、さっきまで海賊共の首を刎ねまくってたの忘れてます?


 だがしかし待って欲しい。うちにはエリザベス嬢とアリスという『聖女候補』が二人もいるのだ。つまりこの国最上級の回復魔法の使い手。あの二人に任せれば刎ねた首も元通りになるのでは?


「魔王」


 平和的な解決方法だと思うんだがなぁ。



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