序列四位同士の戦い
クラス対抗戦は個人戦からだ。序列四位から始まり序列一位で終わる。そして午後からは集団戦。すなわちヘズ•バルドルが初戦に出るのだ。
「「c」組序列四位、「b」組序列四位、闘技場に出よ!!」
ガララと入口の鉄格子が上がり、日の光が差し込む。ロキへと視線を向け、ヘズへと励ましの言葉を送るように耳打ちする。
「ヘズ.........がんばれ」
めちゃくちゃ嫌そうな表情で言うロキだが、ヘズは言葉を受け嬉しそうに闘技場へと歩き出した。
「__________バルドル辺境伯が息女、一番槍を仰せ仕う奉る!」
兜を下ろし大槍を構え、戦闘体勢へと移行する。『聖重騎士』に相応しい全身鉄製装備に巨大なランスを突き出す姿は圧巻だ。
「「b」組序列四位ノルナゲスト、蝋燭の守り手。手加減はしない。」
小柄な青年は手元に燭台を出し、構える。蝋燭の火の中には刃が見え隠れしている。恐らくあれで戦うのだろう。
「それでは両者、準備はいいですか?」
ベオウルフ先生が中間に立ち、二人へと確認を取る。そして二人は同時に首を縦に振った。
「それではクラス対抗戦第一試合、此処に開幕ッ!!!!」
銅鑼の大きな音が闘技場全体へと響き渡る。そしてその音が鳴ると同時にヘズはその場からノルナゲストへと向け突進を開始した。
「一撃で決めさせて貰う!!」
重騎士ではあり得ない速度でランスの矛先がノルナゲストの胸元数センチへと近づく。避けられない。観衆は皆、そう脳内で思考する。
「________燭台よッ!!」
燭台から炎が上がる。
(当たれ!!)
ランスの矛先に焦点を当て、爆発をさせる。胸元への接触間際だった為、ノルナゲストも弾き飛ぶ。ヘズの突進は軌道をずらされ右側の壁へと突撃してまう。
「..........面白い力の使い方をする」
大槍を壁から抜き、再び突進の構えを取る。反対に爆風で飛ばされたノルナゲストも立ち上がり、ヘズへと燭台を構える。
(あの突撃をマトモに喰らえば俺はやられる。だが、喰らわなければいいだけの話だ。)
蝋の火が蒼白くなっていく。
(貫通力向上、標的との距離15歩、奴の突進の際の最高速度は時速40マイル(時速約64km)。あの装備で出せる速度じゃない。聖重騎士としての特性が重量を軽減してるのか。)
ノルナゲストは息を吸い込み、低姿勢から駆け出す。
「最強の蝋使いの本髄を見せてやる。」
燭台をブースター代わりに発火させ駆け出す速度を上げる。
「消えた.....?」
目の前にいたはずのノルナゲストが消えた。直ぐに索敵へと意識を向けるが遅い。
「____________上だ。」
燭台の刃がヘズの肩、鎧を突き破り突き刺す。先程上げた燭台の貫通力の効果。
「ぐぅ.........」
「降参しろ。女を痛ぶる趣味はない。」
苦悶の表情を浮かべるヘズに対し、ノルナゲストは降参し試合を下りるよう促す。だがヘズは「ははは」と高笑いを浮かべ、ノルナゲストの足を掴んだ。
「甘い男だ。早々に拙の意識を刈り取れば良いものを。」
「放せっ!これ以上刃を奥に突き刺したくない!」
やるならやって見ろと鋭い眼光がノルナゲストへと向く。
「ッ」
(痛みを感じないのか、この女は)
視線を受け、一瞬怯んだノルナゲストの隙を見逃すヘズではない。
「沈め、蝋燭使い。」
握った足を引っ張り、地面へと思いっきり叩き落とす。
「がはっ!!?」
地面へ叩きつけられたノルナゲストは血を吐き出す。そして止めと言わんばかりにヘズはノルナゲストを持ち上げブレインバスターを決めた。
「___________________」
意識を完全に失ったノルナゲスト。ヘズは倒れるノルナゲストの身体に足を置き、勝利の雄叫びを上げる。
「ロキきゅん!!!勝ったよぉおおおおおおおお!!!!」




