死んでしまうとは情けない
本編最終話です!
ここまで読んで下さった読者の方々には本当に感謝しかありません!自分の長編を完結まで書けたのは皆様のおかげです!
後日談を数本書いたら物語を完結させようと思います。
作者のもう一つの作品である『Sigurðrー狂愛物語―』は本作の登場人物達の狂愛に主点を置いております。やや改変もありますが、ご愛読していただけると嬉しいです!
『最後の聖戦』と呼ばれるスコーネの女王らとの戦いから50年、世界は戦いの傷から癒え、争いとは程遠いジークフリートが目指した平和で平穏な理想郷となった。
(________________刻限のようだな。)
ジークフリートは寝室にて臣下に囲まれるようにベッドの上で眠りつく。
「魔力が底を尽き掛けている....それに比例して生命力も。」
「そんなこと、言われなくても分かってるっての。」
そんなジークフリートの両手を握るのは以前と変わらぬ容姿を見せるスクルド、そして淡いピンク色の髪を靡かせたダーインスレイヴの使い手ミストであった。
「............スクルド、ミスト、そして我が臣下達よ。」
目をゆっくりと開け、周囲を見渡す。
(スローライフと言う夢は叶わなかった.......けれど、世界は善き方向へ向かってくれた。)
世界を平和にすると言う目的は達成できた。
「お前達が次代の英雄だ........世界は常に平和で在るわけではない。だからこそ神聖国が世界に規律を敷き、統制をしなければならなかった。そしてその役目は私からお前達へ受け継がれる。」
ジークフリートは最後の力を振り絞り、立ち上がる。止める者は誰一人としていない。
(スキールニル、アスラウグには申し訳ないことをしてしまった........彼らが異世界で無事で在ることを願うしかない。)
あれから二人はこの世界に戻って来ることはなかった。そして、若き日に戦った戦友達は誰一人として生きてはいない。自分のエゴに付き合わせ、死なせてしまったのだ。
(もしも......もしももう一度、人生をやり直せる機会があるのならば.........今度こそ、誰も死なせない道を探そう。。)
随分と永い時を生きて来た。波乱万丈で、退屈な日々はなかった。貴族社会から始まり、冒険者へ。そして学園生活を送り、ラグナロクの再来達と戦った。数多の戦争を乗り越え、ヴァルハラを一つの統制国家にして見せた。楽しくなかったかと言えば嘘になる。
「お前達が____________________」
(楽しかったさ...........)
ふっと小さく笑みを浮かべ窓を開ける。そして、皆へと振り返り、最後の言葉を告げるのだ。
「_________ファフニールのお宝を見つける番だ。」
「________________あらあら、うふふ♪」
冥界の女王ヘルは玉座に座りながら、ニタニタと気持ちの悪い卑しい笑みを浮かべていた。
「はぁ......今日がその日だからとだらしない顔をし過ぎですよ、ヘル様。」
冥界の女王の第一側近、冥界の番犬ガルムが注意をする。
「ガルムさんは分かっていません!私がこの日をどれ程待ちわびた事か。お兄様のせいで無理矢理とヘルヘイムに戻されてからと言うものお会いできてないんですよ。見てください、怒りの余りに第二形態です!」
「戻ればいいじゃないですか.........本当にめんどくさいなぁ、この人。」ボソッ
「何か言いましたか、ガルムさん?」
「いえ、何も言っておりません。」
ヘルヘイムの日常とも言えるヘルとガルムの掛け合いを楽しそうに眺める給仕服を来た四聖蛇公ドーヴァ。
「ようやくです......ようやくなんです。私、物語の半分くらいまではスタメン張ってたの知ってます?」
「.............知るも何も私も一応は準レギュラーでしたので。て言うかそう言うメタ発癖、やめてください。悪い癖で........あの人、本当に人の話を聞かないなぁ。」
冥界の女王ヘルは玉座を立ち上がり、ガルムを無視してヘルヘイム城の監視塔へと転移する。
「__________________ぐふ、げへへ、でへへ。」
気色の悪い笑みを浮かべ、気色の悪い笑い声を出す冥界の女王。それもその筈だ。ヘルヘイム上空から光に照らされ、ゆっくりと落ちてくる人物が視界に入るのだから。
「貴方の帰還を心より御待ちしておりました_________」
長年待ちわびた待ち人。彼を受け止める為に両腕を広げる。
「_________________________我が夫ジークフリート♡」




