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二対二

(________________強い。)


そしてこの世界のグローアとアスラウグは外伝時以上の強さを誇り、ラグナロクの再来フェンリルを圧倒する。


「素晴らしい連携、美しい程に研ぎ澄まされた技量、戦士としての格も申し分ないでありんすなぁ!!」


刃と刃がぶつかり火花が舞う。舞を魅せるかのように戦場を踊る。


「くく、あははははっは!!!!」


傷を負いながらも鋭利な笑みを浮かべ、獣のように駆けるフェンリル。頭部からは白銀の耳がぴょこんと出ており、大きな獣尾が尻部から逆立ちながら突き出る。


「わっちをもっと喜ばせよ!わっちをもっと興奮させよ!!」


戦場を暴れる三人の戦士達を達観した様子で傍観する闇に染まった剣帝。無論、グローアとアスラウグは警戒は解かない。


(________ベルンは次元斬りを放つことは出来ない。)


アスラウグの能力によりフェンリルの権能とベルンの覚醒能力「次元斬り」は封じられている。


「故に勝機は此方にあるッ!!!」


空中に浮遊していた聖剣を手元に戻し、刃から炎が吹き荒れる。


「かか、聖剣かや!それも世界に終止符を穿った終末剣!オーディンめも中々粋なことをしてくれるなぁ!」


フェンリルは一旦距離を取る。


(巨人スルト程の出力が出ることはない。そして、あの様子から聖剣にはいくらかの制約が掛けられている。)


とはいえ、それでもここら一帯を燃やし尽くす程の威力はあるだろう。


(あの攻撃を防ぐ方法は剣聖による連続しての「次元斬り」、そして炎そのものをわっちの権能で呑み込むしかない。)


視線を黒騎士へと向け、睨み付ける。


「邪魔じゃなぁ、お主。」

(スクルドめは愛しのスキールニル王の元へと向かってしまった。この状況を打開する方法は一つ。)


黒騎士が保有する封印術は厄介極まりない。


「先に潰すしかない。」


意識を一瞬でも削ぎ取ることができればその一瞬をつき、権能を発動出来る。


「剣聖、手を貸してくれんか!」

「僕を煩わせるな、駄犬。」


アスラウグの背後へ高速移動したベルンは彼女の意識を一撃で削ぐ。


「がっ、」


そして前方へと倒れるアスラウグ。それに追撃をすべく、ベルンは剣を振ろうとするが、グローアによる炎の斬撃が迫る。


「馬鹿な男だね__________次元斬り」


斬撃は次元斬りにより相殺される。グローアはその隙をつき、即座にアスラウグを回収した。


「聖剣の力は放出させてやった。リチャージまでに時間が掛かる。その間に倒す事だ。」


言われずとも分かっていると動き出すフェンリル。


「____________背中ががら空きでありんす♪」


両手に握る短剣がアスラウグを抱えたグローアの背中をクロスに斬り裂く。グローアはうめき声を上げるが、即座に原初のルーン魔術で防御結界を張り両者から距離を取る。


(世話が焼ける女だッ、)


意識を失っているアスラウグをルーンによる軽い電撃で叩き起こす。


「いっ、はっ!!」


アスラウグは即座に起き上がり、黒騎士の特性である封印術を再発動させた。


「どれほど立ちましたか?」

「一分も立っていない。油断するな。お前の敗因は俺達、全員の敗因に直結する。」


それ程までにアスラウグの力はこの戦いで必要なものだ。既に十解の半数は落ちている。序列一位のロキは死に体に近く、序列四位のディートリッヒでさえ、敵側に洗脳を受け解くことはほぼ不可能に近い。


(クリームヒルトは恐らく聖女の元へと向かっただろう.....ヘズ・バルドルでは聖女は倒せんだろうからな。)


最も警戒すべき敵はスコーネの名を語るあの女魔術師だ。英雄王スキールニルがいるとはいえ、ジークフリートがいる場へと行かせてしまった。


(王を守護する筈の十解の役目もまっとうできないか......つくづく自分の弱さが嫌になる。)


とはいえ、自分の対面する敵も強大な難敵だ。これ以上、この獣の暴力を見過ごす訳にはいかない。だがその前に叩かなければならない相手がいる。


「俺がベルンの相手をする。」


剣帝を倒す。この男をジークフリートの元へ向かわせてはならない。死んでもここでこの男を倒す。


「ならばわたくしがその間にラグナロクの再来、最後の災厄を抑えましょう。」


二人は駆け出す。そして互いの標的へと剣を振りおろす。


「くく、あはは、わっちを主のような小娘一人で抑えきれると思うてか!」


複数の黒剣による攻撃がフェンリルへ襲い掛かる。それに平行してアスラウグもまた黒剣を振るう。


(これだけの手数を用意してなおもギリギリのところで捌ききっている........災厄の獣とは言え、流石といいざるを得ませんわね。)


反応速度、感知能力、そして獣のように柔軟に身体を動かす戦闘スタイルが全ての攻撃を巧く防ぎ、応戦してくる。


「そら、手を緩めるでない。わっちを高揚させよ、黒騎士ッ!!」

「本当に戦闘狂が多くて困りますわねッ!!!」


純粋な接近戦のみでこの獣を押さえつけなければならない。


(人間体、今見せている獣人体、そして本来の姿である銀狼の姿に回帰はしていな

い。力を抑えていることは目に見えていますわ。)


だけどわざわざ最終の形態をさせる必要はない。此方もわざと今の力が全力であることを上手く演技し、この戦況を維持しなければならない。


(わたくし一人ではこの獣を討滅するには火力不足。しかしグローアさんの聖剣の力があれば、世界蛇の核を滅したようにこの災厄を焼き払うことが出きますわ。)


空中に浮かべる黒剣の数を増やし、距離を取る。だが、黒剣の攻撃は止めない。


「ふむ、やはり権能を封じられた状態では攻めきれぬか。」


獣のような敏捷性で一足で黒剣の射程外まで後退する。


(___________________帰化する。)

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