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外伝の主人公は暗黒騎士【弍】

ジークリトとの仲はより深まり、二人は真の恋仲になっていく。


「君と出会ってから四年、本当に楽しい日々だった。」


出会いを重ね、既に四年の月日が経つ。


「ネーデルラント家とロズブローク家の関係も良好だ。君は役目を十分に果たしたと思う。」

「..........何が言いたいのですの?」


アスラウグはジークリトを睨み付ける。その先を口にするな、と。だが、ジークリトはアスラウグの思いを無視し、それを言葉にした。


「_____________婚約を解消しよう。」


アスラウグは激昂し、立ち上がる。


「断固として拒否しますわ!!!わたくしは貴方様の妻になる。その選択をジークリト様が下さいました。それを、今さらになって反故にしようなど言語道断、ですわッ!!!」


ジークリトはアスラウグの言葉に内心では嬉しさを見せていた。けれど、表情には出さず冷酷にアスラウグへと告げるのだ。


「安心していい。婚約が解消されようと、ロズブローグ家との関係は今以上に磐石なものとなる。既に兄さんにはそうするように伝えたよ。だから、今日までありがとう。そしてさようならだ。君は最初に言ってくれた通り、僕を幸せにしてくれた。」


ジークリトは話しは終わりだとばかりに、付き人達にアスラウグを馬車の元まで送り届ける様に指示を出す。


「お、お待ちになって下さいまし。まだ話は「アスラウグ様、こちらです。」


引き離される。そしてこちらを見ずに自室へと戻っていくジークリト。


「ジークリト様..............」


その姿が最後に見たジークリトの姿であった。それから何度もネーデルラント家へ手紙を送ったが返答はなく、城を訪れてもジークリトに会うことは出来なかった。


「わたくしは..........貴方様に、会いたいのです。」


それでもめげずに二年の歳月、会う機会を待ち続けた。しかし、それはもう永劫に叶うことはがないことを知る。


「アスラウグ.......ネーデルラント領にはもう行かなくて良い。侯爵家と伯爵家は盟友の契りを既に交わした。」

「それでも、ジークリト様がおります。わたくしの夫となる男がおりますわ。」

「ネーデルラント侯爵の子息は既に他界している。婚約は........無効となった。」


ロズブローグ伯爵は娘へと事実を伝える。


「..............................」


既にジークリトは二年前に他界し、ヴァルハラへ旅立ったのだと。


「ネーデルラント侯爵に、この事は暫くはお前には伝えないでやってくれと頼まれていた。」


わたくし達が恋人であるから、温情を掛けられていたのだ。


「嘘.........嘘だとおっしゃって下さいまし..........」


涙が頬を伝う。嫌だ。まだ、何も言えていない。


「...............愛した者に先に旅立たれることは悲しいことだ。これから先の未来、お前にとって御子息以上の男は見つからぬやも知れぬ。だがそれでも、前に進まねば、お前はヴァルハラへ導かれたとき、ジークリト殿へ顔向け出来まい。」


心臓の病を患っていることは知っていた。知っていたからこそ、顔を背けていた。


「ジークリト様は、死期を悟り、わたくしを遠ざけたのです............」


わざと遠ざけた。わたくしに嫌われるように。あの方はそう言う方だ。それがどうしようもなく悔しくて堪らない。


「うぅ.......ううう...............」

(会いたい........もう一度、会いたい.........)


ロズブローグ伯爵は涙が止まらぬ娘を優しく抱き締め、あやすように頭を撫でる事しか出来なかった。

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