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フェンリルの能力

暴食の権能。この権能には二つの能力が存在する。

一つ、それはフェンリルが指定した場所を瞬時に圧縮し、胃袋へと入れてしまう能力。最小半径一キロから最大十キロの距離を瞬時に圧縮し、喰らう事が出来る。能力発動のトリガーとして、口を開け、閉じる動作が必要となる。

二つ、喰らった相手の全てを引き継ぐ。ただし、一つ目の能力発動時では二つ目の効力を得ない。その為、分けて使わなければならない。能力発動のトリガーは一つ目と同様である。


(わっちには愚弟や愚妹のような常時発動型の再生能力はありんせん。いずれかの権能で生物を食した時のみに再生能力は働く。)


故にこの戦場は食物庫に溢れている。回復には困らない。


(だが、驚いた........この人間、一つ目の権能を正面から斬り伏せ、そのまま斬撃をわっちに浴びせよった。)


強い。その言葉が頭の中に明確に浮かぶ。それ程までに凄まじい所業を目の前の男は成しているのだ。


「片腕を失ってもまだ、その目に宿る闘志は変わらない、か。」

「この程度、僕にとってはハンデにしかならない。」


ルーン魔術で止血をし、剣についた血を払う剣帝。流石は神聖国最強の戦士。勇者を倒したと言う話はどうやら嘘ではないらしい。


「大口を叩く餓鬼だ。だが、その強さ.......気に入った。」


全力で戦って見たくなった。



「________________うんうん、少年漫画しているところ邪魔するね。」



両者の間から唐突に姿を現す、黒い髪の女魔術師。グローアは即座に間に入り、ロングソードを振り下ろす。


「おっと、君の相手は私じゃない。ちょっとだけ待っていてくれないかい。」


女魔術師が姿を消す。そしてディートリヒの背後へと現れ、背中へと触れようとすると_________


「____________次元斬り。」


伸ばしていた手が消える。性格には切り落とされ、次元の彼方へと消えてしまったのである。


「ノールックからの次元斬り。本当に人気キャラなだけはあるよ、君。だけど、残念。仕掛けは完成している。」


血を撒き散らしながらも不敵な笑みを絶やさない。


「君は此処で退場だ、剣帝ディートリヒ・ベルン。」


魔方陣がディートリヒの足元に出現し、黒い液状の何かが、魔方陣から溢れでる。グローアは即座にそれがラグナロク以前のルーン魔術であることを看破する。


(性格を反転させ、術者の傀儡とする術式..........)


使い手であったスコーネの女王は既に死亡し、世界が一度滅びた以上、術を継承したものはいない筈だ。


(だが、オーディンの加護はあの術式がその術式であると訴えている。)


グローアは叫ぶ。


「ディートリヒッ!!!逃げろっ、それに触れればお前はッ!!」


そして救出するためにディートリヒの元へと向かおうとする。


「行かせはぬぞ、冒険王。わっちとて本来の姿で剣帝と戦っては見たかったが、スクルドのプランがある。術式が完了するまで大人しくするでありんす。」

「ぐっ、どけえええええええ!!!」


フェンリルにより、行く手を阻まれてしまう。そしてグローアと銀狼との激しい攻防が始まる。



「____________こんなものっ、次元斬りでッ!!」



ディートリヒへ絡み付く、黒い液状の何か。それを次元斬りで引き剥がそうとするが、次元斬りが発動しない。


「無駄だよ。既にそれは君の肌へと付着した。そしてそれは肌を通し、体内へと侵入する。それが向かう先は君の脳だ。次元斬りが発動出来ないのは新しい君がそれを否定している証拠だ。」

「ぐっ、くそ、こんなもので、ぼくを、」


剣帝は必死に抗う。既に魔方陣は解かれ、侵食を待つのみだった。スクルドは椅子を異空間から取り出し、座り込む。そして剣帝が闇に堕ちていくのを愉しむのだった。

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