覗き見
「__________食べるの早いね。て言うか一瞬じゃん。」
口を開け、閉じる。その動作で死にかけであったヴァリの姿は消えた。
「一応言っておくが、わっちは上質かどうかなどどうでもよいからな。そもそも人間の肉はあまり好かん。不味いし。」
フェンリルの力の一部には食べた者の特性を引き継ぐと言う壊れ性能がある。覚醒能力も例外ではない。
「さて、十解三人を一気に仕留めた訳だ。そしてヴァナヘイムを事故とは言え、滅ぼしてしまった。これが意味する事は、我らの存在が悟られると言うことだ。面倒極まりないね。」
神聖国を潰そうとしている何者かがいると十解は考えるだろう。その討伐軍に恐らく剣帝が組み込まれる。そしてその舵を取るのはスキールニルか、クリームヒルトのどちらかに絞られる。
「クリームヒルトはないと思うよ。だぶん、この戦いには極力参加しないと思うから。」
ブリュンヒルデをクリームヒルトとわざと接触させたのはこの時の為だ。スクルドは手を口元に当て、ほくそ笑む。
「まぁ、そうなるだろうね。スキールニルが出ると言うのならば私たちの完全勝利となる。彼の行動パターンは私が誰よりも熟知しているからね。ただ、一つだけ懸念すべき点がある。」
スクルドは手をブリュンヒルデとフェンリルへと翳し、強大な魔力によるレーザ砲を解き放つ。二人は何事かと即時回避する。
「スクルド、貴様裏切るのかッ!!」
「助けておいてこの仕打ちは酷いよねぇ♪」
直ぐに殺意を剥き出しにする両者。だが、スクルドの視線は両者には向かず、魔力にて放ったレーザー砲の先へと向いていた。
「_______________っ、ロキぃいいいいい!!!!」
ブリュンヒルデはスクルドの向く視線へと顔を向けると攻撃を防ぐ、道化師の姿がそこにはあった。




