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聖女vs桜髪

トゥーレから帰還した桜髪ことヴァリは元ヴァナヘイムの惨状を見て絶句する。


「一体.........何が起きたってのよ?」


街に転がる死体の山。元ヴァナヘイム城や派遣所は破壊され、数多の建造物は倒壊し、各地で火が上がっていた。そのせいか夜だと言うのに元ヴァナヘイム領は明るい。


「ヴァリ様、私はトゥーレへと再び帰島し、事の報告を神聖国王様にお伝えして参ります。」


部下の一人がヴァリへとそう告げると即座に来た道を引き返すように馬を走らせる。だが、その部下は何者かの手により、馬ごと空中へと投げ飛ばされる。その光景を横目に視線をその何者かへと向けるヴァリ。


「____________何者だ。あれの首謀者であるというのなら容赦は出来んぞ。」


ヴァナヘイムの惨状を背後にヴァリは殺気を向ける。



「ピンポーン♪大正解♪」



ふざけた話し方でコートを投げ捨てる女。そしてその女の正体を目にヴァリは目を見開くのであった。


「.............聖女ブリュンヒルデッ」


ブリュンヒルデは人差し指を顎へと置く。


「うーん..........ブリュン達って面識あったっけ?」

「.........生きておられたのですね。」


ヴァリは敬意を持って聖女へと接する。世界蛇の出現後、各地で医療活動をしていた彼女の姿を幾度か目にした。そんな聖女足らんとする彼女が何故、このような行為に出るのか。疑問だけが頭に浮かぶ。


(クラキ国を救う為に旗を上げ、勇敢にも勇者と共に闘い戦死したと聞いていたが..........)


戦争で運良く生き長らえたのだろうと推測出来る。


「復讐.......ですか?」


このような破壊活動をする理由は復讐意外にあり得ない。神聖国への報復だろう。


「............復讐?話が噛み合わないねっ!」シュ


あっけらかんとした表情を見せる聖女。そして軽いジャブを放って来た。


「ならば、何のためにヴァナヘイムを..........」パシ


力の乗っていない拳。それを手のひらで受け止める。


「ん?あぁ、勘違いしてるようだけど、あれ、ブリュンヒルデじゃないよぉ。暴れ狼ちゃんが楽しすぎてあぁなっちゃただけぇ。可哀想にねぇ。街を壊す予定はなかったんだけど........ごめんね?」


舌を出し、謝るポーズを取るブリュンヒルデ。


「その口振りからして貴女も共犯の一人なんですね。」


ブリュンヒルデの拳に聖光が纏い始める。


「________________そうだと言ったら?」


それを感知したヴァリは即座に手を離し、距離を取る。


「例え七英雄の一角であろうと殺すだけです。」


メリケンサック状の短剣を即座に装備し、聖女へと向ける。


「へぇ、君がブリュンを殺す、ね..........えひゃひゃひゃひゃ!!!いいよぉ!来なよぉ............圧倒的力の前に己の力が無力であることを理解させて上げるよぉ♪」ずどぉおおん


地面を殴り付け、地割りを起こす。


(なんて破壊力ッ.........)


軽く地面を殴り付けただけで半径数百メートルを陥没させた。一職業適正の覚醒能力に匹敵するパワーを目にヴァリは冷や汗を流す。


「七英雄とはこれ程までのっ.........何処に消えた!?」


ヴァリは即座に空中へと飛び避難する。そしてブリュンヒルデが立っていた場所へと視線を向けた。しかし、彼女は既にそこにはいない。


「こらこら、よそ見は良くないよぉ~♪」


右肩をちょんちょんと叩かれる。そして振り向いた際に頬へと聖女の人差し指が触れる。


「っ........舐めるなよ、聖女ぉ!!!!」


ヴァリは聖女の手を振りほどき、拳を振るう。聖女もその拳に合わせるように拳を振るい互いの拳が衝突する。


「私の攻撃は終わっちゃあいねぇ!!!空衝拳舞!!!!」


拳刃士の持つ覚醒能力の一つ。虚空に放った打撃を相手へと命中させる能力。威力は使用者の魔力投入量に比例する。


「あぁ.........覚醒能力、ね。」


頭を除く右半身が空衝拳舞より血肉となり吹き飛ぶ。普通の人間であれば即死級の攻撃であるにも関わらず聖女は余裕然とした表情を崩さない。


「あは♪凄いじゃん、その技♪んがっ...........」


ヴァリは地上へと着地し、ブリュンヒルデは半身をもがれているためか着地出来ず強く身体を瓦礫に打ち付け転がる。


「っつつ.........ほんっと、痛いよねぇ。君はこれだけ身体をぐちゃぐちゃにされたことはあるぅ?すっごい痛いんだから!」


肉体再生。聖女の身体はみるみると癒えていく。


(聖女の職業適正は不死に近い能力が備わると言うが.......此処までなのか。)


最早、人の形をした化物だ。


「その目.........嫌いだな。」


ブリュンヒルデは明るい表情に影を指す。


「ジークくんが時折、ブリュンヒルデを見るときもそう。」


聖女は全身に聖光を纏っていく。


「まるで化物と対峙したときみたいにさぁ.......酷いよねぇ。十解の人達だってブリュンと同じくらい強いのに差別だよ。」


ヴァリは聖女の異常さにもう一つの覚醒能力である水刃拳舞を無意識的に発動させる。


(この聖女........普通じゃない。)


メリケンサック型の短刀を両側に振り払う。地面は両断され、街の一角は地形を変える。


「へぇ.......武器に高圧水流を纏わせる技かぁ。切れ味と破壊力が乗ってるね。さっきのわざと合わせて戦えばかなり強いんじゃない?」

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