安堵と死
「懺悔をしたいなら冥界で侘びろ。謝罪をしたいなら死者の墓標で自決しろ。後悔なんて言葉を生者が語るな。」
スクルドは短剣をランドグリーズの背から引き抜き、倒れそうになる彼女を支える。
「当.......方...は............」
死ぬ運命は変わらない。何を為すでもなく、何かを残せた訳でもない。
(.........中途半端な愚か者だよ。何も出来ず、暗殺者に殺される様は惨めだろう。だけど、心の底で何処か安心している自分がいる。やっとこれで家族や仲間の元へと行けるのだと...........)
ランドグリーズは安堵とした表情で事切れた。それを見届けたスクルドは彼女の瞼を下ろし、クラキ国を一望出来るベンチへと彼女を寝かせる。
「彼女の辛気臭い雰囲気を見ていると昔の自分を見ているみたいで嫌気がする。」
そしてスクルドが指鳴りをすると、ランドグリーズは灰へと変わり、空気中へと徐々に消えていく。
「________二人目だな。」
フェンリルは腕組をしながら、壁に背をつけてスクルドの様子を見ていた。
「フェンリルちゃん一人ってことはブリュンヒルデちゃんは.........覇王の様子でも見にいったかな、ふふ。」
「良いのか?神聖国側に我らの正体が漏れる可能性があるのだぞ。」
「うーん、大丈夫だよ。クリームヒルトちゃんってかなりブリュンヒルデちゃんのこと気に入っているし、神聖国王にも伝えないと思うよ。」
フェンリルは壁から背を離し、スクルドへと身体を向ける。
「前々から疑問に思っておったのだが、十解の生態を何故、そこまで熟知しておる。」
スクルドは人差し指を唇へと当て、フェンリルへと告げる。
「__________それは企業秘密。」




