分担
「___________それで協力する変わりに覇王にだけは手を出すな、ね。ブリュンヒルデちゃんがそれでいいなら私は構わないけれど、そうすると神聖国王は独占出来なくなるよ?」
ブリュンヒルデは優しい微笑を浮かべながら大丈夫だと言う。
「君は..........そうか。それでいいなら、私は何も言わないよ。」
何処かバツの悪そうな表情を見せるスクルド。
(スクルドめ......イラつきを感じておるな。協力者であるブリュンヒルデが好きな男を独占ではない方法で愛そうというのだから無理もないか。)
スクルドはダーインスレイヴを異空間から取りだし、二人へと見せる。
「この魔剣はこの世界に必要がない代物だと私は考えている。廃棄するけれど.......反対意見があれば聞くよ。だけど、反対をするならそれ相応の理由を聞かせてくれると嬉しいな。」
スクルドはダーインスレイヴの廃棄を提案する。
「別にいいんじゃない?ブリュン、剣使えないし。」
「わっちの方が殲滅能力は上じゃし、どうでもいいのじゃが。」
二人はダーインスレイヴの廃棄うんぬんにそもそも興味がなかった。
「うん、君達を仲間にして良かったよ。」
(一々口論にならず、単純な思考持ちだから扱いやすい。)
スクルドはダーインスレイヴを灰へと『変換』し、空中へと散らせる。
「これで一人目だ。残す十解は七人。英雄王と覇王以外を各個撃破で殺害する。タイムリミットは......あまり時間を掛けすぎてはバレてしまうからね、七日間に設定しよう。」
短期間で目標を抹殺しなければならない。悟られる前に決着をつける。
「各十解殺害の計画書は作成済みだ。そら、目を通して置いてくれ。概要に従って動けば先ず失敗しない。確殺出来ると断言する。」
ブリュンヒルデはスクルドの言う計画書とやらに目を通すと事細かにその十解の短所や弱点が書かれてあった。
「ん?分担表?」
「分担表。そのままの意味で捉えて貰って構わない。誰が誰の相手をし、殺害するか私見で決めさせて貰ったよ。」
スクルドは計画書にある分担表なる項目をルーン魔術によるスクリーンで投影する。
「【鍛冶士】、【パリィ娘】、【冒険王】、そして【剣帝】の『四人』は私が先導して片付けよう。フェンリルちゃんは新しく入った桜髪の【拳刃士】と赤髪【片手剣使い】、冒険王の右腕をしている元「s」級冒険者の蒼髪おじさん、そして死にかけの【道化師】を担当して貰う。ブリュンヒルデちゃんには【黒騎士】をお願いしてもらってもいいかな。」
スクルドはニィと口元を釣り上げ、悪役のように笑みを浮かべる。
「一人で倒して来いなんて言わない。皆で手を合わせて倒すんだ。英雄の冒険譚と言うのはそういうものだろう?」
フェンリルは呆れた様子でため息をつく。
「わっちらは人間側からすれば悪役サイドでありんすがな。」
スクルドは目を細め、フェンリルを睨み付ける。フェンリルは視線をそらし出来もしない口笛を吹く。
「.............分担表は止めをさす係と捉えてくれて構わないよ。三人で楽しく十解狩りをしようじゃないか。」




