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ヤンホモの思い

親友の願いを叶えなければならない。その為に俺は今この時を生きているんだ。


「廉太郎、お前は絶対に俺が守る。」


スキールニルは事務作業をこなしながら今後の立ち振舞いを考える。


(現状、神聖国を動かしているのは俺とクリームヒルト。ベースとなるのはジークフリートの思い描く神聖国の在り方で希望に添うように政策を立てている。)


ジークフリートは夢想家ではあるが、王の器ではない。だが、その夢に従い十解はこれまでの戦いを乗り越えてきた。ならば彼の欠点を補うのが臣下である俺達の務めだ。


「とは言え、フェンリルに割ける戦力も大きくない。俺達十解が前線に出るのは当然として国力の大部分を戦場に投入するわけにもいかない。」


奴の戦闘描写を見るに軍隊を組んでの討伐は避けた方がいい。結界をフェンリルの周囲一キロメートに幾重にも張り、大陸への被害を押さえた上での戦闘をしなければ神聖国そのものが滅びかねないからだ。


「ぐっ.......まただ。また、嫌な未来が頭を掠める。」


頭を押さえ、スキールニルは苦渋の表情を見せる。


「聖女.........そして、お前は誰だ?なぜ、お前達が銀狼を従えている。」


未来視にて死んだはずの主人公、そして黒髪の魔女然とした美人の女が此方を見て笑っている。そして背後には美しい銀色の体毛を靡かせた三つ目の銀狼が付き従うように控えていた。


(聖女はロキの手によって殺された筈だろ。生きている筈はないんだ。)


スキールニルは頭を悩ませる。


(聖女の設定を事細かく知っている訳じゃない。けれど、冥界の女王ヘル以外で死から復活出来る者はネーデルラント家の秘宝以外にない。)


そしてそれは勇者に既に使用され、この世には現存していない代物だ。


「お前は誰なんだ.........いいや、関係ない。お前が誰であろうと廉太郎の前に立ち塞がるのなら排除するだけだ。」


この命は山田廉太郎、ジークフリートに捧げると誓っている。例え廉太郎が否定しようともこの命は既に廉太郎のものだ。


「トゥーレの聖塔での戦いでは遅れを取ったが、もうあのような醜態は晒さない。道化師にこれ以上俺の立場を取られてたまるか。」


親友は俺なんだ。生前、現在、そして未来もまた強い絆で俺達は繋がっている。決して誰にも立ちきらせない。奪われはしない。


「廉太郎、安心していいよ_____________俺が側で何時までも守っていてあげるから。」

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