再び戦いたい
戦士として剣士として頂点を極めたと言ってもいい。剣戟での対戦なら恐らく誰にも負けない。
「__________師匠の剣として僕は常に高みに立つ。誰にも師匠を傷付けさせはしない。」
神聖国王を不動の王とする為、生涯、自分は王の剣として剣を振るい続けることだろう。
「精が出るな、ベルン。剣の頂きにたった今も尚、鍛練を怠らないか。」
「グローア........うん、そうだね。剣の頂きにいるとは言え、僕自身の実力は十解でも中位だからね。」
グローアはディートリッヒの発言を聞き、鼻で笑う。
「謙遜は美徳だが、皮肉にもなることを覚えた方がいいな。お前は正真正銘、十解最強の男だ。」
「あはは、僕が最強?勇者に勝ったから?次元斬りの応用に至ったから?.........全然だよ。ロキやクリームヒルト、君にだって勝てない。まだまだ僕は未熟な勇士だ。」
剣の腕は恐らく一番であろう。だが、ロキの幻術やクリームヒルトの重力制御には為す術もなく敗北する可能性が高い。十解最強を名乗るにはまだ実力が足りていないとディートリッヒは勝手に自己解釈する。
「それは正々堂々と真正面から戦いを行った場合だろう。不意打ちによる次元斬り、そして次元移動からの斬撃を死角から喰らわせられればどのような敵も排除することが出来る。剣帝の覚醒能力である『次元』干渉能力は軽騎士以上に質が悪い凶悪な能力だ。聖剣が覚醒していない俺ではお前に勝ちの目はない。」
「........君は僕を高く評価し過ぎだと思う。」
「お前の自己評価が低すぎるんだ。勇者を真正面から潰せた男だ。誇れ。でなければジークフリートの剣としての体面が悪くなるぞ。」
ディートリッヒの目付きが鋭くなる。
「..........それは確かに困るね。だけど、僕は僕の評価を変える事は出来ないよ。王の剣が外敵を真正面から潰せなくて何故、王の剣と名乗れる?否、僕は更なる次元に至らなければならないんだ。どのような幻想も打ち砕く斬撃。重力さえも切り裂く最強の剣。聖剣の完成形だって僕は正面からいずれ切り裂いてみせる。その覚悟で修練をつまなければ師匠に釣り合わないからね。」
ディートリッヒの覚悟を聞き、グローアはそうかと小さく呟くとディートリッヒの肩へとポンポンと手を起き、その場を去る。
(ジークフリート........フェンリル討伐までは十解の立場に甘んじてやる。だがな、俺は生粋の冒険者だ。残念だが討伐後の世界まで平和維持に協力してやれるほど、俺は善人じゃねぇ。)
グローアは聖剣に手を当て、天を仰ぐ。
「刺激があるからこそ、俺はここまでお前と冒険してきたんだ。すー、ふぅ。それにな........俺はまだ、お前に勝ててないだろ。学園でのクラス対抗戦。俺はあの時の事を今でも鮮明に覚えているぜ。全てが終わったらお前に再び挑戦しよう。ベルンの奴が邪魔をするってんならてめぇも斬り伏せるまでだ。」




