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頑張ろう.....平和の為に

「神聖国王..........様」


この大陸を現状、統べる王。元はネーデルラント家の三男だと聞く。だが、その佇まいはやはり貫禄があり、思わず恐縮してしまう。


(銀狼の兜、全身鎧に身を包んだ二槍使い。)


十解という化物集団を率いる長。弱い訳がない。英雄級の実力を誇る事は間違えないだろう。


「このような場所になに用で御座いますでしょうか、陛下。」


即座にベッドから下り、膝を着く。目の前の男を怒らせれば命はない。


「_____________そう身構えなくてもいい。」


神聖国王は私の肩へと手を起き、優しくそう言葉にする。そして窓際に置いてある椅子へと腰掛ける。


「俺達はこれから共に戦う仲間だろう。お前はもう十解なのだから。」


神聖国王はそう言葉を紡ぐ。


(私が十解............)


あの戦いは私の勝利で幕を閉じたのか。そう思考していると神聖国王が首を横に振るう。


「正確にはヴァリ、お前とソルの二人には十解の末席である十席を兼任して貰うことにした。」


ソルとは恐らく赤髪の名前の事だろう。


「ッ.......それでは武闘大会の意味がないではありませんか!!」

「逆だ。お前達は見せつけたのだ。元ヴァナヘイム領にはまだこれ程の戦士達がいるのだと。」


神聖国王は兜へと手を起き、素顔を晒す。


「ん..........」

(.................めっちゃイケメン出てきた。)


ヴァリは神聖国王の素顔に見とれてしまう。


(そうか、そうだったか。あぁこの男、噂に名高いネーデルラント家の.......令嬢達が惚れる訳だ。)


ネーデルラント家には絶世の美男がいると勇者シグルドの噂とセットでヴァナヘイムにも流れて来ていた。


「噂通り、お美しい方だ。」


神聖国王は優しく笑みを見せ、私へとありがとうと告げる。


(うぅ........破壊力がすげぇな)


恋愛経験皆無の三十路だというのに思わずドキっとしてしまった。


「顔が赤いな......まだ、戦いの傷が癒えてないのだろう。暫くは安静にしているがいい。」

「はぅあ!!?」


お姫様抱っこ!!?この私が!!!こんな美男子にぃ!!?


(えっ!えっ!ちょ!まっ!わたっ!!心の!!!準備!!出来_________)


ヴァリは顔を真っ赤にし、気を失ってしまう。そして鼻血を流し気絶をするヴァリを見て苦笑するのだ。







「す、すげぇ............」


巨城、いいや.........ヴァナヘイム城だったものが俺のものになってしまった。


【十解第十席の任は主に元ヴァナヘイム領内の統治にある。ソル、そしてヴァリには元ニザヴェリル領、元アルフヘイム領、元クラキ領との交易をより潤滑にし、神聖国全体の生活基準の向上を目指して貰いたい。】


交易は各領地担当の十解とよく話し合いをし、平等な取り決めを遂行せよと命が下っている。未来的には神聖国への貢献度で十解の席番も変動する可能性があると旨趣されていた。戦士としては面白い話ではあるが、戦の火種になる事は言うまでもない。


(とはいえ大国間での国境が崩された今、物資や資源は神聖国に統括される。それらの指揮を行う役目が俺達十解にはある。)


戦い以外の要領は余り良くない。だから自身の副官としてポニーテールちゃんを任命したんだ。


「人材を集めなきゃな、赤髪!」


ポニーテールちゃんに背中を叩かれる。


「.........うん。」


緊張と不安しかない。自分は冒険者としての経験しかない。国や人を動かす活動が自分には出来るのだろうか。


「不安か?まぁ、そうだろうな。国は統一されたんだし。次は国の基盤を整えなきゃならないぞって話だ。戦いにばかり明け暮れていたが、次は違う戦い方で国の平穏を導かなきゃならない。」


武闘大会はシンプルな力比べで楽しかった。だが、これからはそれ以上の成果を持って国民に安寧を与えなければならない。


「頑張ろう。俺はバカで脳筋だけど.......国のみんなだけは悲しませたくない。」


ヴァリとはライバル関係だが、今の最優先は国を潤滑に回すこと。手を取り合い、最適解を模索していこう。

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