目が覚めると.....
「.................私は」
療養室にあるベッドにて目が覚める。桜髪は身体を起こし、窓から入る風を感じる。
(三つ目の覚醒技を発動しようとしてからの記憶がない。)
全身へと目を向けるが、傷一つない身体。恐らく、気を失いここへと運ばれたのだろう。
「...........私が負ける訳がない。私はヴァナヘイム最強のヴァリ様だぞ。」
桜髪、ヴァリは最終試合での事を思い出そうと思考する。
「クソ、あのタコスケに火炙りにされてからの記憶が曖昧だ。」
枕へと頭を埋め、顔を横に向ける。
(.........)
ヴァナヘイム兵として従軍し、神聖国との戦争で奇跡的に生き延びた。あの光景は今でも覚えている。戦士として戦えず理不尽に目の前で死んでいった仲間達。
【なにが.........】
ヴァナヘイムに進軍してきた神聖国、十解の戦士達。その中で猛威を振るったのがヴェストフォルの最後の生き残りハーラル•ヴェストフォルだった。
【.............起きているの?】
ヴァナヘイム城内へとヴァナヘイム兵を入れないように正面で待ち受ける。こちらは何十、何百と言う軍勢にも近い戦士達が王を救出せんと城外を囲っていた。優勢に見えた。けれど状況は直ぐに覆る。
【ダーインスレイヴ】
災悪の魔剣。その解放と同時にヴァナヘイム兵達は血を撒き散らし絶命した。
【こんなの戦士の戦いじゃない........】
奇跡的にダーインスレイヴの範囲外にいたことで助かった。あと一歩、立ち位置が違ったら私は死んでいたんだ。
(心の其処から戦いが怖いと感じてしまった。)
あれ程頼もしく切磋琢磨しあった戦友の亡骸を見て戦意を失ってしまった。
「私は.........強いのに」
弱い。特殊な武具を使用されればなすすべべなく牽き殺される。そんな理不尽が戦場では起こりうる。
「.................そんなの許せるかよッ!!!」
私が最強だ。ヴァナヘイムだけじゃない。ヴァルハラ大陸で最強なんだ。なにがダーインスレイヴだ。私がダーインスレイヴを保持していたら誰にも負けず無双する。剣帝にだって勝って見せる。
コンコン
ドアがノックされる。恐らく医師だろう。
「___________入れ。」
ガララトと扉が開くと、其処に現れたのは神聖国現国王ジークフリート、その本人であった。




