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空衝拳舞

「_________空衝拳舞ッ!!!」


技名を叫ぶことは技の発動をあらかじめ知らせる為、余り推奨はされないが、言霊の力はやはり威力を大きく上げる効力を持つ。故に戦士達は敢えて技名を叫ぶのだ。


「ぐッ、空衝拳舞ッ!」


鏡影士も対抗すべく、己の放った空衝拳舞で相殺する。


「防がれるなら、肉弾戦でボコる!!」


背後から拳が顔面へと向かい飛んでくる。だが、即座に身体を曲げ回避行動に移る。


(良し、避れ________)


拳による攻撃は避けられた。だが、桜髪は口元をつり上げ技の名を口にするのだ。


「__________空衝拳舞」


鏡影士は回避不能な体勢から、複数の打撃を全身に浴びる。


「がはっ」


血を口から吐き出し、地面へと倒れ伏せる鏡影士。


「私とここまで戦えた事は誉めて上げる。」


桜髪は間髪いれず鏡影士を蹴り上げ、闘技場の壁まで飛ばす。


「うぐあっ!!!」

(やばいッ、負ける、)


目の前へ現れる桜髪。対応出来ない。


「呑気に真似るだけの時間を与えると思った?」シュッ!


顎へと鋭い右ストレートを打ち込まれる。


「く.....そ........」

(...........意識が遠退いて)


意識が途切れる。桜髪は膝を着き意識を失う鏡影士の状態を確認するとニィと笑みを浮かべる。


「惜しかったわね。もしもあんたが真面目なヴァナヘイム人(戦闘狂)なら今頃は私が負けていたかもしれないわね。だけど、そうはならなかった。あんたが一回戦で運が良かった様に私にも戦乙女の加護があったらしいわ______________お疲れ様、クソガキ。」


完全に意識を失った鏡影士を一瞥すると、剣帝へと視線を向ける。勝負は決したのだと。


「_________準決勝、第一試合は桜髪ちゃん!」







「ジョーカーになり得た人材だけど、いかんせん、戦いの経験が無さすぎる。この大会が初めての実践らしいし。敗因はその一点だろうね。」


スキールニルは医務室へと運ばれていく鏡影士を見ながらジークフリートへと告げる。


「初めての実践であれ程戦えたんだ。潜在能力は誰よりもある。将来の十解候補であることには間違えないよ。」

(__________正確にはフェンリル討伐後の俺の影武者として神聖国王となって貰う。)


鏡影士について調べさせて貰ったが、凄まじい能力性能を持っていた。基本能力である技の投影、他者への変身、声帯模写など様々なコピー能力を兼ね備えている。無論、技の精度は鏡影士の力量に比例する。


(覚醒能力では視たことのある他者の覚醒能力を使用可能。但し、使用回数が課せられる。そして異能力系のトレースは不可能、と。例を出すならクリームヒルトの重力制御、次元を切り裂く剣帝の次元斬りなどが該当するだろう。)


コピーの性能は完璧ではないが、強力無比な職業適正だ。何故、これまで埋もれていたかは謎だが、運が良かった。


「お前はもう、俺のものだ________鏡影士」

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