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クソガキが......

「..........勝手に語ってろよ、逝き遅れ女。」


立ち上がり、額から流れる血を拭う。そして桜髪へと鋭い眼光を向ける。


「勝利への渇望だの経験を培ってきただのどうでもいいんだよ。どんなに理由をつけようと戦場で最後に立っていた奴が正義になるんだから。」


魔力障壁を無意識に展開する鏡影士。


「あれは...........」


【勇者】の十八番を制御して行使している事に十解らは見る目を変える。


「勇者でなければ魔力障壁を展開しながらの戦闘は不可能だ。」


クリームヒルトは重力場を発生させ、自動防御園を作り出している為、魔力障壁を展開する必要はない。


「俺は短期間なら出来るが、勇者のように常時展開は出来ないな。」


グローアは勇者同様に最高峰の職業適正【冒険王】を司る。そして当人のセンスもあり、魔力障壁を勇者程ではないが展開できる。


(鏡影士........ポテンシャルが凄まじいな。)


ジークフリートは戦いの勝敗がどうあれ、鏡影士を引き入れる事をこの時点で決める。



「________俺はあんたを倒して上に進む。まだ御託を並べたいなら勝手にほざいてろ。その間に俺はあんたを越えて行く。」



桜髪は身体をプルプルとさせ、激怒とした表情を見せていた。


「生意気......生意気だなぁ..ほんっとに生意気......殺したくなる程......生意気ッ!!!」


真っ直ぐと鏡影士へと近付き、正拳突きを真正面から己の力を示す様に叩き込む。


「_____________なっ!?」


だが、桜髪の拳は鏡影士を穿たなかった。




「.......末恐ろしいな。視るだけで成長している。」




鏡影士の潜在力に驚愕と興味が湧くグローア。


「我らの脅威とならねばいいがな。」

「ジークフリートの障害になるなら、俺が排除するさ。」


クリームヒルトとスキールニルは鏡影士の危険性を危惧する。


「________その必要はない。十解でなくとも神聖国に取り入れる。大狼フェンリルとの決戦で役に立つかも知れないだろう。強力な仲間は多いにこしたことはないんだ。」


ジークフリートの言葉に十解は沈黙する。ヘルやヨルムンガンドの件で如何にラグナロクの再来が強大であるかは理解しているのだ。大陸間の統一戦争とは違い、少数精鋭では此方が負ける可能性が出てくる。故に今は仲間集めが必要なのだ。



「同じ技で相殺された..........」



拳で相殺され、桜髪はバックステップで距離を取る。


(......痛ぇ......確実に....拳にヒビが入ってる......)


警戒の表情を見せる桜髪に対しポーカーフェイスを見せる。ニヤリと頬をつり上げ、嗤って見せているのだ。


「.......」

(このクソガキ......戦いを続ければ続ける程、戦闘力が飛躍していく。)


殺すこと前提での戦闘であれば一秒も掛からず目の前のクソ餓鬼を屠れる自信はある。だが、手加減をした状態で倒すとなる難しい。


(あぁあああああクソ、何で戦いで殺さない精細な作業をしなきゃなんない訳ぇ?)


殺すか殺されるかの作業でしょうが。本当に意味が分からない事をしてくると剣帝を恨む。


「大丈夫、今の俺なら行ける。大丈夫。集中するんだ。もっと深く潜り込め。」


鏡影士は意識を集中させ、虚空へと拳を解き放つ。


「何をしてっ........あぁ?」


鳩尾へと鋭い痛みが生じ、こめかみに血管を浮かび上がる桜髪。


「今のは..............」


拳刃士の覚醒能力は斧使いのように三つある。


「.................私の技」


その中でも桜髪は使いがってのいい空衝拳舞を好んで使用する。無論、研鑽も積んできた自慢の覚醒技だ。故に我慢がならなかった。己の技を容易く行使した目の前の素人に。


(......そんな馬鹿な話があるか。)


【冒険家】か【冒険王】の覚醒能力でもなければ他職の覚醒能力を使用する事は不可能だ。


「いや待て..........は、はは、そうか、そう言う事か。」


桜髪は眉を曲げ、構えを鋭くする。


(無意識的に覚醒能力を発動させているなぁ?)


そうでもなければ覚醒能力による技を自身に投影出来る訳がない。


(だが、クソガキはその事に気付いてない。常時発動型の覚醒能力は魔力共に体力の消費が激しい。覚醒したばかりの新兵に負ける道理はない。)


技を真似ると言うのなら、新しい技で迎え打つのではなく技の精度と使い方で勝負してやる。


「__________意表を突かれたけど、経験の違いが勝敗を分けることもある。それを今から証明してやるよ、クソガキ。」

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