桜髪vs影鏡士
「________私にぶっとばされる準備は出来たかしら?」
桜髪は両拳を叩きつけ、戦闘の構えを取る。
「________あんたを倒す準備は出来てる。」
軍刀を抜き、低く構える鏡影士。
「両者とも準備は出来たようだね。それでは始めようか。準決勝戦って奴を。」
大太鼓は鳴らず、剣帝の合図により試合は開始される。桜髪は即座に動き出し、鏡影士へと迫る。
「_________あんたはそう動くと思ったよ。」
軍刀の刃が桜髪の顔面目掛け、振るわれる。しかし、桜髪は持ち前の反射神経でそれを避ける。頬に深い切り傷が浮かび上がる。
「傷がッ........お前......私の美顔にぃ!!!」
頬から流れる血を拭い取り、鬼の形相で鏡影士へと走り出す。
(怒らせて単調な攻撃にさせれば、こっちにも勝機はある。)
軍刀を垂直に構え、カウンターを狙う。桜髪は怒りの余り、思考を捨てている。
「舐めんなよ、クソガキぃ!!!」
桜髪は叫び声を上げ、拳を虚空へと向け穿つ。
「何処を狙ってぇぐあぁああああああああ!!!!?」
鳩尾に何かがえぐり込むような痛みが恐う。そして連続して同じ痛みが身体中に襲い掛かる。
【空衝拳舞】
拳刃士の持つ覚醒能力の一つ。虚空に放った打撃を相手へと命中させる能力。レンジは半径5m以内であり、威力は使用者の魔力投入量に比例する。
(空中に放った打撃が全てコピーくんに直撃してる........あの桜髪の女戦士に当たらなくて良かった。)
試合を観戦するジークフリートは心の底から安堵する。桜髪に当たっていた場合、下手をしたらボコボコにされていた。
「がっはっ........」
意識を失いそうになる。
(倒れるな、俺ッ!!)
何とか踏みと止まり、前を向く。
「殺さないように最小限に威力を抑えてあげてんだからさぁ、早く倒れてくんないかしらぁ?」ドンッ!!)
「がぁ!!?」ドスッ!
腹部へと鋭い拳が入る。そして平手打ちで地面へと叩き倒される。
「はぁ........あんたの試合は最初に見たから分かる。どうせコピー系の職業適正でしょ。例えば冒険者とか、ね。だけど残念。あんたは練度が低すぎる。」
倒れた鏡影士の上に乗り、見下した様子で言葉を重ねる。
「この短期間で実力を大幅に上げた事は評価してあげる。だけどね..........本物の戦士を舐めんなよケツの青いクソガキ!!私や「s」級のおっさん、それに赤髪の奴は戦場を経験して実力を培ってきたんだ。運だけで勝ち残ったお前とは違ぇーんだよ。」
胸ぐらを掴み合げ、拳を振り上げる桜髪。
「戦士としての傲慢さ、勝利への渇望がお前には圧倒的に足りてねぇ。もしも自分を主人公だと勘違いしてんなら勘違いしたまま退場させてやるよ。」
止めをさすために拳を振り下ろす。
「____________ぐっ!!!!」
拳を額で受け止め、威力を相殺する。鏡影士は身体を回転させ、上に乗る桜髪を突き飛ばす。
「..........勝手に語ってろよ、逝き遅れ女。」




