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世界を騙せ

世界が歪に歪む。その場に立っている事を認識しているのにまるで浮遊しているような矛盾とした感覚に陥る。自分の身体なのに制御が出来ないでいる。とても不愉快な気分。


(前後左右、全部がひっくり返ってる..........感覚が狂いすぎて立つことも出来ない。)


どれもこれも道化師のせいであることは明白。胸を抑え、曲剣を構える幻想士。此方も構えるが、見せ掛けだけの反抗。攻撃をされれば受け流す事も避ける事も出来ないと思う。


「ロキぃい!!」


己の内に秘める聖光を感情のままに爆発させる。


(ロキくんを近づけさせてはダメ。このまま聖光を爆発させ続ける。)


聖女とはいえ、心臓や頭部を狙われれば自動回復は発動せずに殺される。殺されてなるものか。


「えへ、えへへ、あはははっははは!!!!」


聖女は声を高らかにして笑う。


(耐えろ、耐えろ、耐えろ!!ブリュンヒルデが耐えさえすればロキくんは自滅する!)


世界が歪み始めてから、ロキ=ウートガルザは苦しそうに胸を抑えていた。それに仮面を嵌める刹那、鼻から血を流している姿も確認出来た。明らかに無理をしてここまでの能力を発現させている。


「ひぇへへ、えへ、あひゃひゃひゃ!!!ロキくぅうんん!!!根性比べといこうかぁ!ブリュンヒルデの魔力が先に底をつくかぁそれともロキくん自身に限界が訪れるかぁ、へへ、勝負だぁ!!!!」


ロキ=ウートガルザを近づけさせない為に聖光による爆発を連続して発動させる。




(聖女ブリュンヒルデ...........ジークフリート第一の障害。いつまで僕たちの前に立ち塞がる。邪魔なんだよ...........お前の存在は。)




世界を騙し方向感覚、視覚、嗅覚を潰した。後は喉を切り裂くだけの簡単な作業の筈なんだ。なのにこの聖女は自傷行為にも等しい自爆技を連続して使用している。己の肉体が傷がつこうと自動ヒールで完全回復している。


(魔力が枯渇するまで、打つ手はない。)


心臓を抑え、痛みに耐える。


(立っているだけでこっちの命は削られていく。)


近づけない。このままでは此方が先に限界に達してしまう。覚醒能力を世界に対し発動させる離れ業は命を削る。


「_________________世界を騙せ。世界を欺け。現実を拒絶しろ。」


塔の最上部を幻想で吹き飛ばす。瓦礫の山が両者に向け降り注ぐ。


(砕けた岩に当たれば大怪我をする。火炎に焼かれれば肌は焼けただれる。雷に撃たれれば瞬く間に心臓は鼓動を失うだろう。)


世界を騙すとはそれら全てを世界に誤認させ、当人にその事象をぶつけることが出来るという事だ。但し、心臓麻痺や胴体切断などの幻想を直に与える事は出来ない。あくまで世界側による事象によって死を与えると言う仮定が必要なのだ。


「ロキくぅん、無駄だよぉ!!!全てが嘘だって事は理解してるんだからいくら虚像を見せようとブリュンヒルデには届かなぁい!!君の魅せる全ての幻想をブリュンヒルデは真正面から打ち砕いてあげるぅ!!!」


聖女は言葉通りに全ての幻想を聖光爆発により粉砕していた。


(その場に尻餅を着き、立つことさえも敵わない情けない醜態を晒している癖に.......生への執着だけは害虫のようにしぶといっ。)


曲剣を握り締める。


(.......何処まで僕をイラつかせる、聖女。)


足を引きづりながらブリュンヒルデへと近づく。


「.......爆発と爆発の隙間を狙う。」

(なりふり構っている時間はない。この女はこの場で仕留める。)

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