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おまえ、うざいよ?

「________先ほどまでの余裕はどうした、剣帝?」


軽い挑発にピキリと血管を浮かび上がらせる。


(安い挑発だ.........師匠も言ってたろ。お前の長所は短気なところだって.........)


冷静に戦いに当たればお前に敵はいない。そうジークフリートは言ってくれた。


「僕の二番煎に過ぎない芸当で随分と舞い上がってるようだね。」

「二番煎に負ける情けない剣帝は見るに耐えない。自害をしてみてはどうだろうか?」


ニヤリと笑うシグルド。ベルンはジャケットのファスナーを下げ、意地悪く嗤う。


「いいよ......君は痛ぶって殺して上げる。生徒会との抗争の時の屈辱も合わせてね。」


シグルドの魔剣とベルンの宝剣が交差する。


「やれるものならやって見るがいい。」


互いの斬撃が周囲の物を破壊する。そして、激しい剣の打ち合いが再開された。












「パーティータイムだねー♪塔の最上階にも響いてくるよー♪」


一方でブリュンヒルデ並びにランドグリーズらは最上階まで上がり、再び道化師、英雄王と対峙する。


「あは♪」

(仲間を引き連れて来た.......ひっひっひ、僥倖。)


ロキはブリュンヒルデ達を見ると笑みを浮かべる。


「............何がおかしいのかなぁ、ロキくん?」


ブリュンヒルデは道化師の不快な笑みに睨みをきかせる。


「君の醜悪な顔を見ていると同情で頬がつり上がる。」

(ランドグリーズ、元b組のヴァルキュリア。パリィの申し子。)


クラス対抗戦の時に実力の一部を目にしている。


「そう、そんなに早死にしたいんだね。」


ブリュンヒルデの纏う聖光の力が強まる。

(次元斬りや魔剣グラム=バルムンク、そしてグローアの持つ聖剣はパリィ出来ないかも知れない.......けれど、それ以外であれば彼女に攻撃は通らない。)


それ程までに「パリィ」という覚醒能力は強力なのだ。


「ありがとう_________」


連れて来てくれて。君の主導権は僕が貰おう。


「__________そして踊り狂え。」


ランドグリーズの五感を支配する。彼女はもう夢の中だ。




「........ロヴァル、嫌な感じがする。」ボソ




白狼の毛皮を纏うベルセルク『マーナガルム』がロヴァルへと話を掛ける。彼女はボスヴァルの補佐をしていた女狂戦士である。


「さっき、ピリッとしたっすもんね.........なんだったんでしょ。」


白熊の毛皮を身に纏うベルセルク『ロヴァル』。元十二人のベルセルクの内の一人で、ボスヴァルの事を戦士として崇拝していた筋肉マッチョの狂戦士。二人は現在、ランドグリーズの後ろへと控え、戦闘に備えていた。


(さっきのピリッとした感覚......あれは精神干渉、魂へ触れようとしたものがいる。)


ロヴァルは道化師へと鋭い眼光を向ける。


(そしてそれを行う事が出来るとすれば、この場ではあの道化師の格好をした異端者しか存在しない。)


ビャルキ隊長が学園へと通っていらっしゃられた頃、ある報告書に道化師について記載されていたのを覚えている。


(____________道化師の職業適正を覚醒させた暗殺者。)


五感を支配する覚醒能力。我ら狂戦士には精神干渉は効かない。だが、聖女や聖者の加護を得ない者では勇者でさえも幻影に捕らわれ容易く殺されてしまう。それ程までに強力無比な力を備えている。


(........待て、精神干渉を受けた?)


周囲を見渡す。聖女は正常。ロヴァルは通常。だが、他の者達の様子が若干ではあるが可笑しい。


「ロヴァル、気をつけろ。」ボソ


隣にいるロヴァルへと周囲に聞こえないように耳打ちをする。


「当たり前っすよ、マーナガルム副隊ッ!!?」

ロヴァルはランドグリーズの大盾に殴られ壁際まで飛ばされる。


「ロヴァルッ!!!くっ、許せ、ランドグリーズッ!!!!」


ランドグリーズへと大剣を振り下ろすマーナガルム。狂戦士の力は人外領域であり、ヨルムンガンドの私兵である四聖蛇公コールガと拮抗して見せた程だ。故に避けなければミンチになることは目に見えていた。



「なっ!」パリッ



だが、大剣を軽々と弾かれる。ランドグリーズはその隙を逃す程、甘くはない。


「がっ、嘘、」


マーナガルの腹部へと深く突き刺さる剣。そしてランドグリーズに続き、ロキの幻術に囚われた戦士達が次々と刃をマーナガルへと突き刺していく。



「せっかくガルちゃんの事気にいってたのに何でこんな酷い事するかなぁ..」



ブリュンヒルデはわざとらしく可愛そうな物を見る目で地面に沈むマーナガルへ視線を向ける。

「_________狂戦士の特性を忘れたのか、道化師?」


スキールニルがロキへと尋ねる。ロキは何も答えず正面だけへと集中していた。


(言われなくても分かってる。狂戦士の特性は人間離れした筋力、俊敏性、そしてその不死性にある。)


ただし、狂戦士が覚醒能力を解放した時、その力は大幅に増幅されるが自我を失い制御が不能になる。覚醒能力が解かれる頃には死んでいる狂戦士が大半だ。


(ボスヴァル•ビャルキは特別だった。あの男だけは自我を失わずに覚醒能力を行使できた。)


だから油断はしない。狂戦士の覚醒をみすみす放置する程、愚かな性格はしていない。


「やらせない!」


ロキが道化師帽子から曲剣をとり出すと、ブリュンヒルデはマーナガルの正面へと立ち、行く手を妨げる。


(行け、ランドグリーズ______君の出番だ。)


ランドグリーズの大楯がブリュンヒルデへと降り落とされる。


「ランドグリーズちゃん!?あ、ちょっと!」


だが、ブリュンヒルデは間一髪のところでそれを避ける。


「ガガぁあああああああああ、ぁ________________」


ブリュンヒルデの一瞬の隙を突き、覚醒状態になり掛けであったマーナガルの首をロキは撥ね飛ばすことに成功する。


「くっ、やられたッ!!」

(さっきまで瀕死だったのに!)


不死に近い再生能力を持つが首を断たれれば狂戦士とて死ぬ。


「......ロキくんの能力ってズルいよね。」

(盆ミス......フロールフ先輩がいない以上、ブリュンやベルセルク以外はロキくんの能力に掛かってしまう。)


ブリュンヒルデ当人も周囲の異変に気付き、目付きが変わる。


「はぁ.......ジークくん以外はどうでもいいんだけださぁ。いい加減、お前ウザいなぁ?」

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