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全ては聖女の為に

「あははははは!!弱い!弱すぎるッ!!!」


ヴァルキリーの職業適正を持つフレイヤはクラキ兵たちを蹂躙していた。一刺しで三人の兵士を串刺しにし、そのまま突き刺した状態で戦場を駆け抜ける。


「音速を越えるフレイヤちゃんに勝機があると思わないでね♪」


まさにクラキ兵からしたら地獄絵図。圧倒的力により蹂躙される恐怖に勝るものはない。


「______________『復讐者』、刻限だ。」


クラキ国の軍団を統率するスノッリ・ストゥルルソンは戦況の悪化を改善する為に動き出す。


「は、はい!」

復讐者の職業を冠する元生徒会庶務アムレート。彼はスノッリの命令を受け、覚醒能力を発動させる。


「戦乙女!!こっちを見ろ、ウスノロブサイク女!」


アムレートは大声を上げ、フレイヤを罵倒する。


「あぁ?誰にものをいっ...........?」

戦場を駆け回っていたフレイヤは己の身体の異変に気付き始める。


(身体がいつもより重い.....まるで鎖にでも掛けられたような嫌な感覚。)


アムレートの覚醒能力は敵対者の弱体化、そして弱体化させた分の力を味方へと上乗せさせるというものだ。これはアムレート個人に対しても有効ではあるが、今回は軍団へと力を譲渡する。


「副会長.......には効きませんよね。」

(鑑定士の職業適正を持つ副会長には直ぐに能力を解錠された。流石だ。)


最大捕捉数は500人。ただし弱点として相手側が明確にアムレートに対して敵対心を持っている必要がある。故に相手を煽り敵意を向けさせるのだ。


「ぐっ!!」


フレイヤの動きが鈍くなった事でクラキの精鋭達による猛攻が強まる。


「このまま押し潰せ!!!勝機は我らにある!!!」


スノッリは兵力を最大限に使い、フレイヤを完全に無力化しようとする。


(このままじゃヤバい.......殺しても殺しても減らない......)


刺し傷や切り傷が身体に増えていく。殺す兵数に比例して自分の流す血の量も上がっていく。



「__________________舐めるなよぉおおおおお雑兵どもがぁあああああああ!!!!!」



フレイヤは空中へと飛翔し、槍を投擲する構えを取る。


(チクチクと刺されて無様に死に様を晒すくらいなら最大出力の攻撃を放って綺麗に散ってやるッ!!!)


国家間での戦争で既に無様を晒して、兄に助太刀することも出来ず敗戦した。そしてあろうことか兄を殺したであろう神聖国の刃として先鋒に立っている。こんな愉快な事があるだろうか。


「否、私はフレイヤ!!!美姫フレイヤッ!!!!何者にも縛られず、何者にも屈しない!!!!アルフヘイム最強の戦乙女!!!」


槍へと持てうる魔力を流し込む。そして唱えるのだ。


「大地を砕くは我が刃、大海を割るは我が刃、アースガルズの神々より与えられし我が秘槍、VARUKYURIA(戦乙女の聖愴)の力を思い知るがいい!!!!」


穿たれる戦乙女の必殺の一撃。力を半減されたとて、その力は絶大かつ強大。槍は天から大地へと落とされ兵団の半数がその威力で消し炭になる。その圧巻とした己の技に頬を緩ませるフレイヤはそのまま地面へと墜落し、身体を強く打ち付ける。


(もう腕も上がんない......魔力も使いすぎたし、血も流し過ぎたかも........)


クラキ国へと大打撃は与えた。敗戦国の戦士がここまでしてやったんだ。感謝してもいいくらいだろうと心の中で神聖国に毒を吐く。


「ッ...........つくづくと.........俺の思い通りに.....行ってはくれんか」


全身ボロボロのスノッリが瓦礫から這い出る。瀕死に近い状態であり、直ぐにでも治療しなければ命はないだろう。


(だが、戦士でもない俺が敵将の一人を道連れにすることは出来た...............ブリュンヒルデは喜んでくれるだろうか。)


剣を鞘から抜き、フレイヤの元まで何とか辿り着く。


「...........美姫、俺と共にヴァルハラへと旅立って貰う。戦乙女であるお前であれば、戦場で死ぬことは本望だろう。」


フレイヤはキッとスノッリを睨み付ける。動かない身体。抗う力も残ってはいない。


「これで止め________________」


スノッリの胸部から腕が飛び出る。


「__________安心して一人で逝け、元クラスメイト。」


深紅の乙女が腕を引き抜き、血を振り払う。スノッリは胸元に手を当て、己の状況を確認すると地面へと倒れる。

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