再会
「________________俺の敗けだよ。」
満身創痍の状態で手を地面へとつける道化師。
「皮肉......かい.........」
その眼前には無傷とした様子のアルフヘイム王が窓から空を見上げていた。
「魔帝が死んだ。もう戦う理由はない。」
道化師へと回復術を施し、寝室の椅子へと座り直す。
「もうじきジークフリートがこの城へとやってくる。潔く諦めてくれ。」
スキールニルは静かに立ち上がり、臨戦態勢になるロキに対し忠告するのだ。
「君では俺に叶わない。戦って理解しただろう。刃を納めてくれ。」
スキールニルに敵意はない。ロキを殺害しようと思えば可能だっただろう。だが、それをしなかったのはジークフリートが望んでいないと分かっているからだ。
「俺を認め、十解の一人に加えてくれ。召喚術士や魔斧を大きく上回る戦力になる。」
ロキは舌打ちを鳴らし、対面に存在するソファーへと腰掛ける。
「僕の覚醒能力は通じている筈なんだ。だけど、お前には幻術の先が視えている。だから攻撃は当たらないし、当てられない。速度だって元暗殺者と同等かそれ以上の速力を誇っている。理解の範囲外だよ、お前。」
「流石は知能指数が高いラスボス系キャラだ。ジークフリートが入れ込む理由が分かる。」
スキールニルの上からの言葉にロキは苛立ちを隠せずにいた。
「ジークフリートをお前が語るな。」
「語るさ。俺は彼奴の"親友"だ。」
ロキは再び襲い掛かろうと立ち上がる。
「_____________大丈夫か、ロキッ!!!!」
立ち上がると同時に寝室に繋がる扉がバンッと開かれる。鎧や槍にはベットリと血がつき、この場にたどり着くまで、激しい戦闘が行われていたことが伺える。
「ジークフリート!」
スキールニルは満面の笑みを浮かべ、ジークフリートの名前を呼ぶ。それに気付いたジークフリートはロキが対面しているであろうスキールニルへと視線を向けた。
「................ッ!!?」
視線の先にいたのは昔の自分だった。美化はされているがまごうことなき前世の姿が目に入る。
「てめぇ.....何者だ?」
(俺以外に異世界転生者がいても可笑しくはない。だが、なぜ俺の姿をしている。)
不明な点が多すぎる。それにロキが静か過ぎるのも不気味だ。
「________________廉太郎、俺だよ。」
とても優しく、日だまりのような笑顔を向け、自分へと話を掛けてくるスキールニル王。
(こいつは...........)
答えは一人しかいない。前世に置いて親友であり、命をとして逃がした現実世界の主人公。
「.......................鴉羽三三三」




