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受け継がれる意思

この戦いが圧勝で終わるとカーラは確信する。


(あいつはハティの速度についていけていない。)


ハティは音速を越える速度で魔帝へと襲い掛かる。


(反応がない......目で追えていない証拠ッ!!)


魔帝は反応出来ていない。そのまま奴を冥界へ叩き落とす。

「___________月に喰われる前に喰らってしまえ!!」

ハティの牙が魔帝を捉え、喰いちぎろうとする刹那、魔帝は笑みを深くする。


「生物を切除するのはいつだって星の役目だろ。」


ハティの頭部が弾け飛ぶ。それも血飛沫を大量に上げて。


「.........がはっ!!!?」


音速で駆けていたハティの背から降り落とされ、地面へと身体を強く打ち付ける。


「俺様が誰だかてめぇは分かってねぇらしいな。」


倒れるカーラの背へと片足を置き、見下す。


「俺様は七英雄が一人、魔帝。それも随分と世代交代をしてねぇ古参のな。」


カーラを蹴りあげる。カーラーはうめき声を出しながら地面を転がる。


「上位格のアングルボサの呪いには【魔力制御】が効かねぇ。だが、それは外皮に限った話だ。内側までは作用してねぇ。」


魔帝は魔力の渦を手元に出し、ハンドスピナーのように循環させる。


「内側っても直接触れなきゃあ効果は発動しねぇンだが、てめぇが無知で助かったぜ。俺に牙が触れた瞬間、魔力制御による自動防御が発動してくれた。」


カーラは恨めしく魔帝を睨み付ける。


(喰い殺すという選択肢以外を取っていれば........俺は勝っていた。ちきしょう......新たな上位格の呪いを召喚するには最低でも三日間のインターバルが必要だ。)


下級の呪いでは目の前の男には勝てない。カーラは考える。どうすればこの絶望的状況を単騎で抜け出せるのか。


(............俺はタイマンで聖女に勝った女だろーが!!弱気になるな、考えろ。勝機はある筈だ。)


生きて。生きて。生きて。最後にはジークフリートと結ばれる。


(約束したんだ..........)


カーラはふらつきながらも立ち上がる。


「..................約束したんだッ!!!」


ハティ•ベイビー20体の召喚。


「俺は.......ジークフリートと田舎で余生を過ごすんだぁ!!」


貴族なんてしがらみもなく夫婦として二人だけで生きていく。可能ならば子供も欲しい。


「世界征服を掲げるてめぇらにしちゃあ小せぇ望みだ。」


カーラは魔帝の言葉を聞いて鼻で笑った。


「はっ!小せぇかどうかは俺が決める.........その為の世界征服なんだよ!!」


上位のアングルボサの呪いは連続して召喚できない。覚醒に至った召喚士は過去に何度も存在した。そしてカーラの実力こそが召喚士の到達点と言ってもいい。



(__________だからこそ俺が限界を越え、更なる高みへと至らなければならない。)



世界をひっくり返す。命の輝きを糧にその先へと足を踏み込む。


「スケッゴルド、お前の勇姿は俺達へと受け継がれている。」

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