召喚士vs魔帝
召喚士カーラと魔帝も勇者や五人の死骸らと平行して戦闘を開始する。
「起きろよおおおおおおハティッ!!!!!」
最上位階のアングルボサの呪いの一体、ハティの成体を召喚し、搭乗する。
「ハティ.......ね。」
(............野良ではないな。)
その風貌は巨大な黒狼であり、王冠やルーン魔術が掛かった装飾品が装備されていた。
「殺し合いをしようぜ、七英雄ッ!!!」
ハティの周囲に『ハティ•ベイビー』20体を展開し、一介の戦士では太刀打ち出来ない程の戦力を見せつける。
「______________俺様を誰だと思ってンだぁ?あぁ!!?」
【魔帝】は幾数もの魔方陣を展開し、襲い掛かるハティ•ベイビー達を迎撃する。
(ニーズヘッグやファフニールのように半不死とした再生力はハティにはない。だが、恐るべき点はその速力にある。)
魔帝は思考する。元来、成体のアングルボサの呪いは七英雄単体ではなく最低でも二人がかりで倒すことが条件なのだ。
(時代によっては七英雄全員で討伐に当たらなければ勝てない程に成熟した呪いもいた。)
神話で紡がる程の強度に育ったアングルボサの呪いはまさに怪物だ。ラグナロクの再来とまではいかないが、強大過ぎる敵であることには変わらない。
(それに......おれの覚醒能力である『魔力制御』は化物には通じねぇ。純粋なルーン魔術による攻撃方で撃退しなければ活路はない。)
魔力制御の能力、それはその言葉の通り『魔力の支配』を意味する。自分だけに限らず、他者の魔力をも支配下に置く。まさに魔術の帝王。だが、アングルボサの呪いに魔力はない。故に召喚士を恐れ、第一に転移させたのだ。
(___________っーのに彼奴らは臆病者だの七英雄の誇りを見せろだのうだうだと五月蝿く騒ぎやがる。相性の問題がこっちにもあンだよ。)
杭を手元に出し、周囲から魔力をふんだんにかき集める。そしてその魔力を杭へと閉じ込める。
(刃先には無尽蔵に外界から魔力が行き渡る様に調整をした。切れ味は魔剣グラム=バルムンクの解放とまではいかないが、神域に達している事は間違えねぇ。)
魔方陣の猛攻を越えて来たハティ•ベイビー。それを豆腐を切るように易々と杭で切り裂いてしまう。
「なっ......近接戦闘も出来るのか!!?......だが、一流の戦士でもないお前にハティの攻撃は避けられねぇ!!!」
ハティへと命令を下す。
「___________月に喰われる前に喰らってしまえ!!」
ハティは音速を越える速度で魔帝へと襲い掛かる。魔帝は反応出来ていない。
(お前の範囲は俺に召喚を許したことだ。潔くスローライフ計画の糧となれ。)
この戦いが圧勝で終わるとカーラは確信する。




