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私、気になります!

ニザヴェリルに送り込むは【五人の死人】。その全ての死骸はかつて七英雄と呼ばれた者達である。


(生前の職業適正、覚醒能力は言わずもがな使用可能。)


ただし、日が出ている場合の戦闘能力は半減される。だが、日が沈み、夜となった場合は理性を取り戻し生前と同等の戦闘技能を取り戻すことが出来る。


(こいつらを十解とぶつけンのは夜だ。その間は俺とアルフヘイムの兵だけで対応する。)


伊達に七英雄の一人を数世紀している訳ではない。例え十解の連中が強かろうとも格の違いを見せてやると漆黒の魔力を渦巻かせる。














「ニザヴェリルの対応は俺に任せてくれ。」


召喚士の職業を司るカーラが口を開く。


「何を言うのですか、カーラ。貴方は後衛に徹しなさい。危険です。」


エイルが席を立ち上がり、カーラの提案に反対する。


「別に一人で行くって訳じゃねーよ、エイル姉。火力があるエイリークのおっさんかベルンが一緒に来てくれればいい。」

「了知した。ならば俺が共に行こう。」


エイリークがカーラの提案に賛同する。


「よし、決まりだ。カーラ達はニザヴェリル防衛。現地に着き次第、ゼクスと協力して敵の殲滅に取り掛かってくれ。そして主力であるクリームヒルト、ダーインスレイヴを持つハーラルは敵の本拠地であるアルフヘイムへ先行して侵攻。エイル、アスラウグはヴァナヘイムに進軍しているアルフヘイム兵を一掃してくれ。グローアとディートリヒは状況に応じて何れかのサポートに。俺はロキと合流次第、クリームヒルト達に続く。」



ジークフリートは即断即決する。あまり会議に時間は掛けていられないのだ。敵は目の先。時間との戦いなのである。


「___________散れ」


ジークフリートの言葉と共に一同はその場から姿を消す。


「ロキ、出てきてくれ。」


ジークフリートは玉座から立ち上がり、ロキの名を呼ぶ。しかし、ロキは一向に現れない。


(あいつ........)


ジークフリートは即座にヴァナヘイム神殿を後にし、馬を走らせた。


(...........アルフヘイムの王を殺りにいったなッ!!)


道化師はアルフヘイムの王に絶対に会わせないと言っていた。理由は不明だが、ジークフリートという存在にとって根幹に関わってくる存在であることは確かなのだ。


「お、おい、あれって......」「神聖王じゃないのか!?」


馬を走らせていると進軍してきたアルフヘイムの兵達に見つかってしまう。それもその筈だ。ヴァナヘイムからアルフヘイムへ向かうには広大な麦畑を越えなければならない。故に馬を走らせれば直ぐに位置が露見してしまうのだ。


「ッ!!!俺は急いでる!!!!」


槍を空間から取り出し、襲って来た兵達を薙ぎ倒す。だが、強襲は止まらない。アルフヘイムの騎兵隊は攻撃陣形を組み、ジークフリートを狡猾に捉えようと左右を囲み、距離を狭めてくるのである。


「ぐっ、」

(俺は十解みたいに強くはねぇんだぞ、クソッ!!)


アルフヘイム騎馬兵達の攻撃を上手く捌き、馬への攻撃も冒険者としての職業適正を使用することで未然に防ぐ。


「おおおおおおおおおおおお!!!!」

(押さえきれねぇ!!!)


だが多勢に無勢、数の力に押されはじめ、自馬共に傷を負っていく。


「ッ痛ぇ!!」


ジークフリートは弓矢を肩に喰らう。だが、直ぐに矢を抜き取り馬の速度を限界まで引き上げる。


「逃がすな!!」「賊の大将は目の前にいるぞ!!」


兵達の集中が此方に集まり始めている。馬を降り、戦ってもいい。軍勢とはいえ、時間を掛ければ倒せない相手ではない。


(嘘です......かっこつけました。万単位の軍勢に一人で勝てる訳がないです。)


対人戦とでは戦の種類が違うのだ。多分、半分くらい行けばいい方だと思う。正直な話、体力が持たない。とはいえ、何れにしろアルフヘイムの雑兵に構っていたらスキールニル王と邂逅する前にロキが奴を葬ってしまう。


(_________それだけはダメだ。)


ロキがあれほど取り乱したのだ。その訳が知りたい。スローライフ計画にとって重要な鍵をスキールニル王が何かしら握っているに違いない。


「ッ、ディートリヒ!グローア!!遊んでないで出てこい!!!」


ジークフリートは叫ぶ。彼奴らを待機させたのはこのような場面に直面する可能性を考えての事だ。


「_______________だから一人でうろちょろしないで下さいっていったんですよ。」

「_______________全く、世話の焼ける男だ。」


ジークフリートを迫っていたアルフヘイム兵達は二人の剣技により倒される。


「_________後は頼んだ!!」


二人へとアルフヘイム兵の軍勢を押し付け、そのまま直進する。


「たく、あいつはいつもいつも.......」

「そこが師匠らしいって言えば師匠らしけどね、ふふ。」


ディートリヒとグローアは苦笑をすると一度互いに刃を合わせ、アルフヘイムの軍勢へと走り出すのだった。

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