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会わせたくない

「.........廉太郎が来る。」


スキールニル王は嬉しそうに枕へと顔を埋める。


(ニザヴェリルは陥落し、ヴァナヘイムも落ちた。次に標的にされるのは俺達の国の筈.........ふふふ、待ち遠しいなぁ。)


スキールニル王はごろごろとベッドの上を左右に転がり目を輝かせていた。余談ではあるが、スキールニル王の容姿はジークフリートの前世(山田廉太郎)、それも10代前後の姿となっている。そして魂の美しさに引っ張られる形で顔形も美少年然としたものに変化していた。


「でも外に出るなって酷いよな。」


アルフヘイム国を神聖国に無償で引き渡せと部下の一人に命じたのだが、頑なに其れを否定するのだ。


「このままじゃあ失わなくてもいい命が失われてしまう。」


いいや、部下一人の話でもない。宰相兼王の懐刀としても活躍してくれる魔帝ですらも言葉を濁すのだ。


「俺個人の感情で平伏しようって話じゃあないんだよ、魔帝。」


神聖国と戦えば負ける。これはそう言った戦なのだ。良くて十解なるものの一人や二人を道連れに出来る程度だろう。


「だから戦いはやめて明け渡そうって言ってるんだけどなぁ...........」


聞き入れてはくれなさそうだ。


(まぁ、聞き入れないなら聞き入れないで戦えばいいさ。国を思い最小限の被害で済ませたかったけど、国民はやる気のようだしね。)


魔帝には頑張って貰おう。運が良ければ十解の空き枠が出来る。そして例え失敗したとしても________


「___________________俺が一人削ればいいだけの話だ。」














「__________ジークフリート、君はアルフヘイムの王には会わない方がいいと思う。」


ヴァナヘイムの復興作業を見ていると影からロキが姿を現し、そう唐突に助言してきた。

「どうしてだ?」

「それは.............どうしてもって言ったらダメかい?」


ロキのこんな姿は初めてだ。まるで子供が駄々をこねるような、何処か焦りを感じているような微妙な表情を見せるのだ。


「ふーん.......何か隠してるなぁ、ロキ?」


ロキのほっぺを引っ張る。


「いはい、いはいよ、ジークフリート」えへへ


赤く腫れたほっぺへと手を当て、嬉しそうに嫌がる。


「..............じゃなくて会って欲しくないの!」


ぐいっと身を乗り出し声を荒げるロキ。


「いやいや、どしたどした!?ロキらしくない.........理由を言ってくんないと納得出来ないって!」

(これ程慌てたロキは初めて見る.........一体アルフヘイムの王にどんな秘密が隠されているんだ。)


ロキは逃げるように影へと入ろうとする。だがジークフリートは逃がすまいと両手でロキを掬い上げた。


「道化師の力で逃げようとしたら暫くは口を聞かないからな。」

「なぁ!!?それは狡いよ、ジークフリート!!」


ロキを下ろし、再び理由を尋ねる。


「っ...........くぅ、もう分かったよぉ.......僕の負けぇ。」


頬をぷくりと膨らませそっぽを向くロキ。可愛い。もし仮にロキの本当の姿が中年の太ったおっさんだったら俺は多分、暫くは立ち直れないと思う。切実にロキの本当の姿が目の前にいるこの姿である事を願う。


「それでファフニールのお宝はなんだ?」


ロキはしゅんとした様子で街へと視線を向ける。


「その言い方はやめて欲しい.....アルフヘイムの王は君にとって本当にファフニールのお宝かも知れないから。」

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