隷属の首輪
「____________ジークフリート様」
キラキラとした瞳で誉めて欲しそうにジークフリートを見上げるエイル•ワルキューレ。エイルはフレイヤを下し、現在進行形で彼女の上に座っている。
「殺すぅ......殺すぅ......」
血管がはち切れそうな程に頭に血が上った様子のフレイヤ。ジークフリートは苦笑をしつつ、エイルの頭を撫でる。
「__________よくやってくれた。」
エイルは目を大きく上げ、感嘆の表情を浮かべた。そしてうっとりとした様子でジークフリートを見つめる。
「は、はい、はい!全てはジークフリート様の道標となるため、目標に転がる石ころを蹴飛ばしただけの事です!!」
尻尾があればブンブンと左右に揺れている事だろう。
「さて___________」
目の前に四つん這いになり、エイルの椅子と化している戦乙女は恐らくドワーフの様に大人しく従わないだろう。ならば簡単な話、力ずくで従わせればいいのだ。
「おい、ジークフリート.......それは人道に反する行為だぞ。」
グローアはジークフリートがしようとしている事を止めようと肩に手を掛ける。だが、ジークフリートはそれを大丈夫だと目で語り、フレイヤへと目線を合わせる為にしゃがみこむ。
「貴方は.......神聖国の王?」
(もの凄い美形の男..........男娼にしたい..........)
フレイヤはジークフリートの美しさに冷静さを取り戻し、そう問い掛ける。
「君に選択肢を与えようと思う。神聖国に絶対なる忠誠を誓うと言うならば神聖国ヴァナヘイム領として君をこの領地の統治者として迎え入れる。けれど、もしそれが我慢ならないと言うならば____________」
フレイヤはごくりと唾を呑み込む。
「________________俺の戦【奴隷】となって貰う。」
ジークフリートは魔法袋から【隷属の首輪】を取り出し、フレイヤへと見せる。
(ヴァナヘイムの宝物殿にあった宝物の内の一つ。)
効力は言わずもがな主人への絶対隷属。逆らうことは決して許されない。
「「ふ、ふざけないで(ください)!!!」」
エイルとフレイヤが何故かハモる。
「「は(ん)?」」
互いに睨み合い、疑問とした表情を見せていた。
「そんなことしたらフレイヤに厭らしいことするに決まってるじゃん!!」
「そんなものご褒美ではないですか!寧ろ此度で得た戦果の褒美として私にその寵愛を下さい、ジークフリート様!!」
ジークフリートは何とも言えない表情を見せていた。
(て言うかエイルは何を言ってるんだ..........)
グローアなど呆れてヴァナヘイム神殿から歩き去ってしまったのだが。
「はぁあ?あんたみたいなキモい女と一緒にしないで!なんでこんな顔だけの男に支配されないといけない「_______なんだ、俺に支配されたくないのか?」
フレイヤの頬へと手を起き、耳元でそう呟き掛けるジークフリート。
「そ.....それは......」
耳を赤くし、満更でもないと言った様子の戦乙女に畳み掛ける様に口説きを続行する。
「___________我慢しなくていい。俺に全てを委ねろ。俺がお前の全てを頂く。お前はただ、俺に従えばいい。身も心も、全て。」
顔を林檎の様に赤くしているフレイヤの首に【隷属の首輪】を装着させた。いきなりの事に「なっ!?」とフレイヤは一瞬驚くとキッとジークフリートを睨み付けた。
「..........お兄様を殺した奴になんか絶対に従ってやるものか。最後にはお前も殺してやるんだから。」
「あぁ、それまで精々頑張ってくれ。」
ジークフリートは立ち上がる。だが、エイルがジークフリートを引き留める様に袖を引っ張る。
「あ、あの....ジークフリート様.........私の首輪がまだ.......」
「いやいや、嵌めないから!」
「いえ、是非に二つの意味で嵌めて頂きたいです。切実にジークフリート様の寵愛を卑しい私めに捧げて頂きたい。身も心も既にジークフリート様のもの。何を迷う必要がありましょう。このエイル•ワルキューレ、生涯を持ってジークフリート様の肉奴隷となる覚悟は出来ております。さぁ、首輪をお嵌めになって下さい。」
ぐいぐいと来るエイル。フレイヤはエイルが立ち上がった事で自由になる。その隙を狙い、爪でエイルの首をかっ切ろうとするが、ジークフリートがフレイヤへと向け、言葉を紡ぐ。
「【十解への攻撃を禁ず】」
ピタリと攻撃がギリギリのところで止まる。フレイヤは舌打ちをし攻撃の手を下ろす。
「見ての通り、命令をすれば命令に拘束される。エイル嬢はこのような状態になりたか?」
エイルはフレイヤの状態を確認し、プルプルと震え始める。
「.......しい」
何かぼそりと言葉を漏らすエイルにジークフリートは近く。
「エイル嬢?」
「羨ましいです!!ハメテクダサイ!!!」
顔を至近距離まで近づけられ嘆願される。そしてジークフリートはエイル嬢を手で押し返し、優しく諭すのだ。
「..............ダメです。」




