足掻き
片手剣使いの覚醒能力は瀕死の状態、又は即死した場合にて発動する。
(___________最大活動時間は3分。)
死の先伸ばし。それも覚醒状態時に陥った場合は通常時よりも数段と使い手の底力を引き上げ戦闘を続行させる。
「もう少し僕と遊んでいってくれないかなぁ。」
フレイはシールドパイルバンカーを投げ捨て、片手剣を構える。そして一足のうちにグローアの懐へと潜り込み、一閃を喰らわせた。
「ぐっ」
(スピードが上がっている........それにパワーもッ!!)
グローアはバックステップを踏み、距離を取ろうとする。だが、それを逃すまいとフレイはひたすらと剣を振るい続けた。
(こいつッ!!)
攻撃の手を緩めずに全力で攻撃を打ち込んで来る。筋肉が張り裂けても尚、猛攻は続く。
(もう僕には時間がない。逃がさない。猛攻を仕掛け、致命傷を与える。)
ヴィナヘイムの宝物、罠と戦略は多々にあった。だが、残り三分という短い間に発動は出来ない。故に如何に悪足掻きをし、この男へダメージを与えるのかが問題なのだ。後始末はフレイヤに託す。
「気色の悪い奴だッ!離れろ!!」
猛攻を仕掛け、距離を取れず、勝利の剣すらも抜刀できない。グローアは苦虫を擂り潰したように苦渋の表情を見せていた。
「そう邪険にしないでくれよ。これでも頑張ってるんだか____________」
突如としてフレイの首が宙を舞う。フレイは死ぬ間際、銀狼の兜を瞳に捉え、何とも言えない表情を浮かべ絶命した。
「.........お前」
双槍を携えた男。神聖国が虚像の王として選定した十解の王。
「助けてやったのになんだよその顔は?」
槍についた血を振り払い、兜を外す。
「ジークフリート......なんでお前がここにいる。」
ジークフリートへと鋭い視線を向けるグローア。
「そう睨むなって。後方ばかりだと腕が鈍るだろう?」
「それで止めを我が物顔でかっさらっていくのか。精々腕が磨かれた事だろうな。」
グローアは皮肉を交えむすっとした表情を見せる。
「そう拗ねるなよ、グローア。せっかくいいものを手に入れたんだからさぁ。」
「..........なんだ、その鍵は?」
ジークフリートが取り出したのは黄金で装飾された鍵だった。
「宝物庫の鍵。この兄弟が長年貯め続けてきた宝が眠ってる。」




