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戦いはまだ終わっていない

フレイはグローアへと盾で殴り掛かる。だがそれを片手で防ぎ、グローアは頭突きをフレイの顔面へとかました。


「あぐっ........いい度胸してるよ、」


鼻血を流し、グローアを睨み付けるフレイ。グローアはロングソードを鞘に戻し、勝利の剣へと手を掛ける。


「________________ヴァナヘイムで一番強いんだろ?」


グローアは勝利の剣を抜刀し、手元から離す。すると剣はくるくると回転し、宙へと浮かんだ。


「勝利の剣........」

(僕の名前の由来である神フレイが使っていたとされる神剣。)


フレイは盾を前へと突きだし、防御の構えを取る。


「そうだ.......そうだとも。僕がこの国で一番強い。」


単純な戦闘力で言えば妹であるフレイヤが自分を上回るだろう。だが、知略や作戦を織り混ぜた戦闘であれば戦乙女の職業を司るフレイヤとて敵ではない。


(技術的な面では僕が奴を上回っている。だけど、それ以外の面では僕は大きく劣っている。)


フレイは覚醒封じの指輪を嵌め、覚醒能力、ルーン魔術の対策をする。


(覚醒能力、そして魔術の無効化は出来る。だが、問題はあの宙に浮かぶ聖剣。)



フレイは眉間に皺を寄せ、グローアを睨み付ける。


(片手剣使いの覚醒能力は弱い________)


己の剣の技術、そして戦略で相手を打ち破らなければならない。


「どうした、来ないのか?」


グローアは小さく笑い、挑発をする。フレイは舌打ちを鳴らし、走り出す。


(奴の攻撃は単調だ。それを見極め、隙をつく。)


フレイは肉体強化で速度を上げ、グローアの懐へと入る。そして盾の先につく杭、又の名をパイルバンカーで心臓を狙う。


「__________無駄だ。」


宙に浮かぶ聖剣が盾を弾く。


(そのアクションは予測済みだよ。)


片手剣をグローアの首を跳ねる為に振るう。グローアはスレスレの距離でその斬撃を回避する。だが薄い切り傷が首筋に出来る。

(_________逃がさない!!)


フレイは投げナイフを即座に投擲し、グローアの太ももに命中させる。


「ぐっ、」


その一瞬の隙を見逃すフレイではない。即座に片手剣で畳み掛けるようにグローアの胴を切り裂いた。


「____________君の冒険はここまでだ。」


そして最後の止めと言わんばかりに盾のパイルバンカーをグローアの腹部へと当て、解き放つ。フレイは勝利を確信し、頬を釣り上げ嗤う。



「魔法袋___________」パンッ



だが、グローアはパイルバンカーにより貫かれてはいなかった。寧ろ貫かれていたのは_____


「なっ、」


腹部に大穴を開け、血を吐き出すフレイ。そして膝を突き、己の腹にパイルバンカーが突き刺さっていることに気づく。


(一体何が............)


グローアはフレイの元へとしゃがみ込み、破れた魔法袋を見せた。


(魔法袋.......そうか)


以前、ジークフリートにしてやられた魔法袋の裏技をフレイに対し、行使したのである。


「すまないな。全力で死闘をしてやりたかったが、世界征服を目指してる。あんたにはまだ秘策があったんだろうが........これでおしまいだ。」


宙に浮かんでいた勝利の剣がフレイの背を死角から貫き、心臓を穿った。


「あぐあっ、」


無駄な足掻きをされても面倒だとグローアは即座に止めを指したのである。倒れるフレイ。その背に突き刺さる勝利の剣を引き抜き、鞘へと戻す。



「待ってよ_____________」



歩き去ろうとするグローア。その背後から満身創痍の状態であるにも関わらず、立ち上がるフレイの姿があった。


「___________戦いはまだ終わってない。」

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