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透明の鎧

「___________随分と時間を掛けたんだな?」


武具を作れと命じて早三週間。漸く十解全員分の武具が完成したようだ。


「か、勘弁してくだせぇ.....流石に十人分の武具、それも伝説級となりゃあ時間もかかりまさぁ。」


一人ではなく十人分なのだから致し方ない。それに目元が隈で覆われている事から寝ずに労働し続けた事が伺える。


「仕立て上げたものを見せて貰おうか。」


武具に被せられた布を取るゼクス。そして姿を表したのは「透明の鎧」だった。とても薄く防御面に秀でているとは思えない外装に十解はゼクスを睨み付ける。


「は、はは......外見だけで舐めて貰っちゃあ困りますぜ、神聖王。」


ゼクスは手元に透明な籠手を出す。恐らくデモンストレーション用のものだろう。


「この防具の特性はアングルボサの呪いの一体にありやす。スライミーっー小型の呪いに着眼点を置いて作製した防具がこれでさぁ。ミスリル合金を極限まで打ち込み、スライミーと馴染ませたことで鉄壁の鎧を生み出しやしたぜ。そして何よりも元来の防具に被せて纏う事ができやす。」

「防具に纏わせる........」

「まぁこう言う事でさぁ。」


通常の籠手を装着し、その上から「透明の籠手」を装着するゼクス。装着した「透明の籠手」は通常の籠手へと帰化するように同化した。


「試しにルーン魔術を放ってくだせぇ。この鎧は対魔術ルーンの紋章も刻んでおりやす。」

「_______________________そうか。ならば試して見よう。」


グローアが間髪いれずに紅蓮の炎を解き放つ。ゼクスは冷や汗を流しながらも装着した籠手を前方に突きだし、炎を掻き消した。


「それではこれはどうだ。」


ニザヴェリルの衛兵が使用する剣を用いてグローアはゼクスを斬りつける。


「ほぉ、ここまでとはな。」


剣を鞘へと戻し、玉座の間を守る衛兵へと剣を投げ返す。


(凄いな......剣戟を受け止めるのではなく、受け流した。)


剣は籠手を滑るように軌道をそらされたのだ。


「絶対物理耐性にルーン無効化の恩恵が得られる。」


強すぎる。剣帝の様な次元斬りを除けば全ての剣を防ぐ事が出来ると言う事だ。それにルーン魔術無効化も一々避けずに済む。


(戦闘の際のアドバンテージが大きい。)


これ程の技術があり、侵略者である俺達に蹂躙されたのは一重に相性が悪かったのだ。


(覇王の覚醒能力は重力、剣帝の覚醒能力は次元をも切り裂く刃。)


エイルとて鑑定の能力で弱点を解析し、解錠する。


(そしてエイリークもまたヴェストフォル最高の英雄と呼ばれた男だ。)


誰も気づいてはいないだろうが、エイリークは世界蛇戦の際、心臓を穿たれて半身を裂かれている。だが、その状態から生き返る不死性が奴にはある。


(その特異性から十解入りを許したんだ。反対にハーラルの実力はそこまで高くはない。特出した技能も武具を保有しているいるわけでもない。だが、その魂の在り方は勇気ある者以上に高潔なものだった。)


仲間を想い、民を導く。ヴェストフォルが滅びの運命を辿らなければ名君となり、国を統治したことだろう。


(_______話が脱線してしまったな。この鎧はこれから先の戦いで十解の戦いを大いに支える事になる。)


良いものを手に入れたと口元がつり上がる。

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