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アルフヘイムの七英雄

「いやぁ~まじですげぇわ、神聖国。英雄級の奴が少なくとも三人はいる。て言うか七英雄が一人いるな。あの深紅のドレスに刻まれた刺繍、グンテル公爵家の「覇王」で間違いねぇ。それに「次元斬り」を見せた男........今代の剣帝までも神聖国に所属してやがる。」


遠目から使い間を使いニザヴェリルの様子を伺う黒いローブを纏った青年。


(ヴェストフォルの王子に英雄、それに「S」級冒険者のグローア。奴さんら、本気で大陸を取りに来てると見える。)


目の下には隈があり、冷や汗を浮かべながらへらへらとした表情を見せていた。


「おっと、また使い間が死んじまったか。」


ニザヴェリルに放つ使い間はもれなく死んでいる。長くて数十秒。だが、常に送り続ける事で映像を永続させていた。


「並みの偵察じゃあ諦めるしかないだろうが俺は一味も二味も違うぜ。なぁ王様..........って聞いちゃあいねぇーか。」


王は映像を見ながら悶えていた。投影されるは過去の幼馴染み。そして親友だった男だと王は言う。


(_________あんたに負けて貰っちゃあ困る。)


これまで会ってきた奴らの中でもこの男が放つオーラは別物だ。国を纏め上げた手腕、カリスマが群を抜いているのだ。


(国民の皆があんたを慕ってる。親友なんて言ってる場合じゃあねぇーことくらいはわかってンだろ。)


一つの大国を落とし、更なる戦争の準備をしている。敵の明確な目的も本拠地も分かっていない。唯一分かっている事は相手に戦力があり、大国を落とすだけの戦士を揃えている事実だけだ。


(王のこんな姿を臣下達に見せないように寝室に押し込めてはいるけどよぉ、時間の問題だなナぁ。)


この様子ではジークフリートと名乗る頭目に国を無償で明け渡し兼ねない。それ程までに王は尊敬と友愛の目を映像の男へと向けていた。


(王が結婚しない理由ってのは.........考えるのを止めよう。)


王は既に成人している。婚約者候補も何人もいた。だが、王は頑なに断り続けていたのだ。先代の王や王妃は既に他界している。国の希望である王には早くに世継ぎを残して貰いたいところだったが........


(人にはそれぞれの趣味嗜好がある。俺がどうこう言う問題でもねぇーが...........そいつはやめて置いた方がいい。)


王宮ルーン魔術師統括兼参謀役を担う七英雄が一人「魔帝」が言うのだから間違いない。


(今まさに世界征服を実行せんとしている連中の頭だ。それも夢物語や戯れ言ではなく、しっかりと実力が備わったマジもんのヤバい連中がガチで国取りを始めてる。)


無条件降伏でもしてみろ。全てを搾取されることになる。漸くこの国を大国足る水準にまで引き上げたんだ。無駄にはさせない。させたくはない。


「王様ぁ、あんた、どうするつもりだよ?」

「え?どうもしないけど。普通に迎え入れればいいじゃん。特にジークフリートは俺のところまで来させてね。て言うか、属国、又は併合するんだから被害が少ない方がいいよね!」


王様の頭の中は花畑だった。国を纏め上げたあの頃の面構えが懐かしい。鋭い鷹のような眼光、民を清き道へと導かんとする先導者。その面影が今はない。年相応にはしゃいでいるクソガキという評価が正しいのかも知れない。


(_____________俺がどうにかしなきゃならんか。)


この国を奪わせなんかしない。魔帝の名に掛けて守り通す。

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